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北朝鮮問題の「中国責任論」は大げさ、中国政府が異例の反論

7/12(水) 13:42配信

ロイター

[北京/ワシントン 11日 ロイター] - 中国政府は11日、北朝鮮問題を巡る「中国責任論」をやめ、関係各国がそれぞれ働きかけを高めるべきだと主張し、問題解決に向けた中国の圧力強化を求める米国に対して、異例の強い表現で反論した。

8日行われた米中首脳会談で、トランプ大統領は習近平国家主席に一定の融和姿勢を示しつつ、経済的・外交的に緊密な関係にある北朝鮮を制御するために、中国が十分な努力をしていないと不満も漏らした。

北朝鮮が4日、アラスカ州や米西海岸の一部も射程に収めるとの専門家の見方もある大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行ったこともあり、米国は不満を募らせている。

中国外務省の耿爽報道官は定例記者会見で、日米などが北朝鮮に対する圧力強化を求めていることについて、緊張を高めているのは中国ではないとした上で、解決の鍵は中国政府の手にないと強調した。

「最近、朝鮮半島の核問題について、いわゆる『中国責任論』を大げさに強調している人がいる」と、耿氏は具体的な人名などは挙げずに指摘。「これは、問題の全体像についての正しい知識の欠如か、責任を転嫁しようという隠れた目的があることを示している」

さらに、同報道官は、中国は間断なく努力し、建設的な役割を果たしており、関係各国にはお互いに譲歩が必要だと主張した。また、「他国に働くことを要請する一方で、自国が何もしないというのは受け入れがたい。背後から刺されるのは容認できない」と付け加えた。

<対朝貿易増加に対する批判に反発>

一方、中国の崔天凱駐米大使は10日にワシントンのシンクタンクで講演し、中朝貿易が増えているとの報道に対して、「ゆがんだ印象を与える」と反発した。講演は非公開で行われたが、中国大使館が11日に講演原稿を公表した。

崔氏によると、中朝貿易は、2015年と2016年に減少し、今年4月と5月には、中国による北朝鮮産石炭の輸入禁止措置の影響で、それぞれ41%と32%減少した。

崔氏は一方で、国連安保理の北朝鮮に対する制裁決議は、同国との通商禁止を盛り込んでおらず、「通常の貿易は、制裁下でも禁止されていない」と述べた。

トランプ大統領は先週、中朝貿易が第1・四半期に40%近く増加したとして、中国が北朝鮮の脅威の封じ込めに協力しているか疑わしいと不満を表明していた。4月に公表された統計によると、中朝貿易は、2月に石炭禁輸が発表されにもかかわらず、第1・四半期は前年比37.4%増加した。

崔大使は、北朝鮮による核実験やICBM実験などの安保理制裁決議違反に対して、安保理がさらなる行動をとることを中国は支持すると述べた。ただ、米国がICBMだったと結論付けた北朝鮮のミサイル発射実験について、中国の見解を語ることは避けた。

また崔大使は、制裁は必要だが、北朝鮮の問題はそれだけでは解決できないと述べ、北朝鮮が兵器実験を凍結する見返りに、米韓が合同軍事演習を一時中止するという中国の提案を受け入れるよう改めて要請した。

中国は、北朝鮮の度重なる核やミサイル実験に立腹しているが、同時に米国や韓国が合同軍事演習を行って緊張を悪化させていると非難している。

また、米国が韓国に新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)を配備したことに神経をとがらせており、配備により中国の安全保障が脅かされ、緊張緩和の役に立たないと反発している。米政府が北朝鮮と取引がある中国企業や個人に制裁を課したことにも抗議した。

米政府はこれに対し、米韓演習は対北朝鮮の防衛力を維持するために必要だと反論。米政府高官は、中国が北朝鮮に更なる圧力をかけないのであれば、米国の経済・通商圧力が強まることになると語った。

米中政府高官は19日に経済問題協議を行う予定で、米側はその場で北朝鮮問題も協議する構えとみられる。

最終更新:7/24(月) 2:19
ロイター