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【セレクトセール詳報】“ネットの巨人”DMMが仰天提案「定額前払いで前例のない1万口募集」

7/12(水) 22:09配信

東スポWeb

 国内市場では史上2位の高値となる5億8000万円馬が出現して例年以上の盛況に終わった、日本最大の競走馬セール「セレクトセール2017」(北海道苫小牧市のノーザンホースパーク)。しかし、今年の陰の主役は(株)DMM.com。11日に購入した当歳馬、ジェンティルドンナ全妹(3億7000万円)も、キタサンブラック全弟(1億4500万円)も、クラブ法人として新しく発足するDMMドリームクラブ(サービス名は“バヌーシー”)の所属馬になるが、同クラブの出資システムと募集口数が、過去に例を見ない強烈なインパクトを持っているからだ。

 現在の競走馬クラブ法人は、馬代金をまず払う。以後は預託料を中心とした維持費を月1回のペースで支払うシステム。しかし、おなじみの大手ネットメディアのDMMが新しく始めるサービスは、競走馬の代金と引退するまでにかかる維持費を最初にまとめて払う方式。口数も1万というこれまでにない規模だ。

「6歳末の引退を想定した維持費を従来の募集金額に上乗せ。それが最終的募集額になります。予定より早く引退すれば、その分の維持費は返金し、逆に7歳以降も走らせるほうがプラスになるとの予測が立てば、それまでに獲得した賞金を維持費に充てることになります」と説明するのは(株)DMM.com取締役の野本巧氏。

 この画期的なシステムの呼び水になったのは、DMMが行っている様々なサービスの数々だ。公的なIDによる審査を必要とするのは過去の競走馬ファンドと同様。新興のクラブ法人が1頭1万口という募集に対応できるかという疑問もあるが、「DMM.com証券で培ってきたノウハウがこの部分をクリアする」と野本氏。相当数になると予測される身元審査に対し自信を見せる。

「ラヴズオンリーミー(2016年生まれ=初日に1億6000万円で落札)は1口が3万円台、ドナブリーニ(ジェンティルドンナ全妹)は4万円台で…と考えています。引退までに必要な金額のすべてをプールすることで最初の金額は大きくなりますが、1か月に1回請求書が来るのが好きではないという自分の感覚もあって、今回のシステムを採用しました。ネットの反応は賛否真っ二つのようですが(笑い)」

 会員向けのサービスは主にアプリ「DMMバヌーシー」(7月末配信予定)で提供される。そこには仮想現実の世界があり、昨年のセレクトセールの1億9000万円馬ベネンシアドールの15(牡)や、今年落札された馬がそこで生活し、彼らの“現在”を見ることができる。お得意のバーチャルゲームの影響を感じずにはいられないが、ポイントはデビュー後に視点が当てられてきた過去の競馬ゲームと違い、デビューに至るまでの過程にスポットを向けていること。

「普通に考えれば(相対的に)値段が高い2日目の当歳のほうがハイリスク。しかし、デビューに至るまでの時間が長いからこそ、デビュー時の感動は大きい。ゆえに今回のセールでは2日目の当歳を重視しました。多くの方との感動の共有体験を目指したい」と野本氏。1万口という過去にない多数の募集もそれに起因するもので、著名血統馬に絞ったのも「認知されやすい」にこだわった結果か。「バヌーシーの世界では会員同士が交流できますし、命名権もある。騎手への騎乗依頼など、会員の意見集約を考えています」

 アプリの中に広がるのはPOGの世界。生身の競走馬を扱うことに嫌悪感を抱くファンもいるだろうが、近未来、DMMが提供した今回の形がクラブ法人のスタンダードになる可能性も、否定できない。

最終更新:7/12(水) 22:09
東スポWeb

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