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インフラ点検の新技術続々 ロボでダム調査/高速道AI管理 G7でアピール

7/12(水) 7:55配信

産経新聞

 ダムの状態を水中で点検するロボットや、ITや人工知能(AI)を活用した検査の効率化など、既存インフラのメンテナンス分野に技術革新の波が押し寄せている。国土交通省も先月イタリアで開かれた先進7カ国(G7)交通相会合で日本の先端技術を紹介しており、今後も日本の技術力に注目が集まりそうだ。(臼井慎太郎)

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 ゼネコン大手の大林組は5月、水中で撮影した構造物の映像を船上から遠隔で鮮明に確認できる探索ロボットを開発した。ダムのひび割れの有無や、老朽化の状況を調べる際に威力を発揮するという。従来、水面下のダムの点検は潜水士に頼っていたが、作業の安全性や効率化が図れる。平成30年度の実用化を目指す。

 一方、首都高速道路は7月、道路の点検・管理を支援する「インフラドクター」の運用を始める。走行する点検車両から路面や壁面などにレーザーを照射し、対象物の3次元データを取得する仕組み。コンクリートの剥離(はくり)や路面の陥没など、補修が必要な場所を把握するほか、データを元に損傷の進行や改修時期を予測するAIソフトを32年度をめどに開発する方針だ。点検推進課の高野正克課長は「事前に損傷の度合いを把握すれば人を効果的に投入できる」と話す。

 JR各社も点検作業の改善に向けた研究に余念がない。JR西日本はイタリア製の診断システムを約7億円で購入した。カメラで線路を撮影し、補修の要不要を自動検知する仕組みだ。従来の検査車両に比べ、幅広く点検できる。9月から山陽新幹線で試験運用をはじめ、4~5年後の実用化を目指す。JR西の来島達夫社長は「将来の労働力不足に備え、仕事の仕組みを変えたい」と導入の理由を説明した。

 同様にJR東は、山手線の新型車両「E235系」で線路や架線の状態を自動監視し、事故の予兆を把握する取り組みを進める。自動監視で得た大量のデータを分析し効率的なメンテナンスにもつなげる考えだ。

 企業が新技術の導入を急ぐ背景には、高度経済成長期に整備された多くのインフラで老朽化が進み、点検・更新がピークを迎えていることがある。国交省は、25年度に約3・6兆円だった所管するインフラの補修・更新費が、45年度には約4・6兆~5・5兆円に達すると試算する。

 建設業界では作業員の不足も指摘されており、技術革新は急務だ。

最終更新:7/12(水) 8:17
産経新聞