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15言語問診アプリ 外国人の救急要請に迅速対応 大阪市消防局開発

7/12(水) 15:17配信

産経新聞

 ■「どこが痛む?」「いつから?」

 訪日外国人の急病やけがに迅速に対応しようと、大阪市消防局が15言語に翻訳して問診できる専用のスマートフォン用アプリの運用を始めた。アプリはICT(情報通信技術)を専門にする市の新部署と共同開発。日本語ができない外国人患者にも隊員のスマートフォンの画面をタッチしてもらうことで具体的な症状や緊急性を把握できる仕組みで、消防局は「一秒でも早い処置や病院搬送に活用したい」としている。

 ◆画面タッチ

 問診アプリは患者が15言語から言語を選択。英語や中国語のほか、タガログ語なども含まれており大阪を訪れる外国人の母国語の98%をカバーしている。痛む部位や症状が表れた時期などを尋ねる約10項目の質問や回答も選択した言語に翻訳される。

 搬送先の病院から聞かれることが多い既往症やアレルギーの有無について問う質問も加えた。開発を担当したICT戦略室の中道忠和課長代理は「誰でも使いやすいようタップするだけのシンプルな作りにした。どんな場所や状況でも使えるのも強み」とメリットを強調する。

 大阪を訪れる外国人は年々増加しており、平成28年は5年前の約6倍にあたる941万人。これに比例して大阪市消防局に寄せられる外国人からの119番などの救急要請も23年の178件から28年は965件に急増している。

 ただ、通報を受けて救急隊員が現場に急行しても日本語を話せない患者がほとんど。十数年前に作成した紙ベースの外国人対応マニュアルは使い勝手が悪く、実際は身ぶり手ぶりでのやりとりとなり「症状の把握や病院搬送まで時間がかかりがちになっていた」(北口正救急課長)という。

 ◆隊員が発案

 こうした状況を案じた救急隊員の一人が、27年に外国人患者向けの問診アプリを自作。症状など3項目を3カ国語に翻訳して尋ねる簡易なものだったが、市の職員提案制度で評価され、28年度に新設されたICT戦略室と共同で、本格開発された。

 すでに本格運用が始まっており、市内で活動する救急隊全63隊に配備。現在は月5件程度の活用実績があり、日本語が通じない外国人の患者相手でも「スムーズに症状を聞き取り、現場での処置や医療機関へつなげることができた」と好評だという。

 今後も大阪を訪れる外国人観光客らが増えることが予想されており、北口課長は「知恵を絞り工夫しながら、外国人の方からの救急要請にもスムーズな対応を心がけていきたい」と話している。

最終更新:7/12(水) 15:26
産経新聞