ここから本文です

8Kパネルを採用したライトフィールド型立体視液晶が国内初公開

7/12(水) 16:57配信

Impress Watch

 株式会社ジャパンディスプレイおよびNHKメディアテクノロジーは12日、都内で記者会見を開催し、2社が共同で開発し、5月19日に発表した8Kディスプレイをベースとした17型のライトフィールド立体視ディスプレイのプロトタイプを国内で初めて公開した。

【この記事に関する別の画像を見る】

 ライトフィールドは、これまでのメガネ型および視差型、そしてヘッドマウントディスプレイのいずれとも異なる3D立体視方式。既存の方式は、左右の眼に対して異なる映像を届けることをベースとした立体視方式だが、ライトフィールドは現実世界の物体があらゆる方向に対して光を反射していることを、ディスプレイの画素1つ1つで再現することで、立体的に見える仕組みとなっている。

 偏光フィルタを使った裸眼立体視方式と比較して、左右130度という広い視野角を確保できるため、複数人で観ても立体的に見える、立体的に見える範囲が広いといったメリットが得られる。その一方で、あらゆる方向から物体を撮影しなければならないため、現在の技術では動画が難しい。3DCGなどを駆使すれば動画立体視もできるが、現段階の3Dレンダリング性能では8Kをリアルタイムに描画するのが難しいといった課題がある。

 物体の放つ光線をピクセルごとに実現しているため、実際目に見える解像度は低下する。製品説明を行なったジャパンディスプレイ 次世代研究センター 先端技術研究部 テクニカルスペシャリストの林宗治氏によれば、17型8K(510ppi)のパネルを用いた今回の試作品の場合、概ねHD解像度に近い解像感であるとした。

 とは言え、現在はまだ開発途中の段階のプロトタイプであり、今後はさらなる改良を加える見込み。そのため詳細スペックなどは公開しておらず、またその仕組みなどに関しても(特許などが絡むため)公表しないとのことだった。

 NHKメディアテクノロジーが2年前に、4Kのライトフィールド型3D立体視ディスプレイを試作し展示会に出展。それを見たジャパンディスプレイの林氏が、「今うちでやっている8Kパネルと組み合わせればより良いものを実現できそうだ」と目をつけ、共同開発に至ったのが始まりだという。ただ、これまでライトフィールド型のディスプレイを開発したことがなかったため、ライトフィールドの概念を理解するのに苦労したという。

 将来的には、工芸品や美術品の展示用途や、教育/医療分野、立体視を必要とするデジタルサイネージといった分野を中心に展開していきたいとした。

 なお、実写の撮影には一般的な(2D)カメラを利用し、物体をターンテーブルに乗せて回転させながら撮影し、後からインハウスで設計したソフトウェア、およびサードパーティーのソフトウェアを利用して合成した。

 さて実際のプロトタイプだが、確かに謳い文句どおり、広い視野角で立体感のある画像を楽しめた。長時間どこから見ても目が疲れるといったことはなく、実用性は高いと感じた。さらに、首を傾けたら立体視できなくなる、片目では立体に見えないといった、視差式にある問題は発生しない。画面自体もコントラスト比が高く、色域が広く見やすいと感じた。

 写真ではその立体感をお伝えするのは難しいのだが、動画である程度その立体感をお伝えできるのも、ライトフィールドならではの特徴だ。いくつか画像のサンプルを撮影してきたので、そのビデオも合わせてご覧いただきたい。

PC Watch,劉 尭

最終更新:7/12(水) 19:07
Impress Watch