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北朝鮮との戦争が勃発する3つのシナリオ 専門家の分析

7/12(水) 13:41配信

The Telegraph

【記者:Julian Ryall】
 北朝鮮はこれまで、朝鮮半島(Korean Peninsula)で全面戦争が起きるのは時間の問題だと幾度となく警告してきた。以前は口先だけの脅しとして他国からは大して相手にされてこなかったが、今月4日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に成功して以来、悪夢のシナリオは現実味を帯び始めた。

 専門家らは、この緊張がどのようにして戦争に発展するのか、いくつかのシナリオを想定した。戦争となれば、朝鮮半島、そして場合によっては日本を含む周辺国にも壊滅的な被害が及ぶ恐れもある。

 複数の試算によれば、従来型の戦争となった場合の犠牲者の数は100万人に上るとされている。だが大量破壊兵器の使用で、この数字はさらに跳ね上がるだろう。

 最も可能性の高いシナリオは3つ。米国による限定的な先制攻撃、北朝鮮による先制攻撃、そして小規模な交戦から事態が急転直下して大規模な武力衝突に発展するケースだ。

 いずれのシナリオも壊滅的な結末を迎えるだろう、と米トロイ大学(Troy University)韓国ソウル(Seoul)キャンパスで国際関係論を教えているダニエル・ピンクストン(Daniel Pinkston)教授は言う。

■米国が先制攻撃を行う場合

「北朝鮮の核開発を止めるために先制攻撃を行うという考えは、米国では1993年と1994年に検討されたが、実行には移されなかった。今、そのような攻撃を行うのはなおさら難しいだろう」と、ピンクストン教授はテレグラフに語った。

 また、「北朝鮮は資産を分散することを学んだ。彼らは強固なシェルターをいくつも使っており、それらの標的をすべて排除するのは極めて難しい」としながら、北朝鮮の軍事施設を完全に突き止めきれていない可能性も高く、さらにはミサイル発射用の輸送起立発射車両もあるため、武器すべてを追跡することも困難と付け加えた。

 外交的には、米国が国際社会の支持を得るのは不可能に近い。北朝鮮の同盟国である中国とロシアは国連安全保障理事会(UN Security Council)で拒否権を発動し、報復をまともに受けることになるかもしれない韓国と日本は反対するだろう。

 自己防衛を理由に、米国が一方的な攻撃を仕掛ける可能性もある。しかし、保有する長距離ミサイルを標的としたピンポイント攻撃を、北朝鮮は米国による宣戦布告とみなす可能性が極めて高い。

 ピンクストン氏は「北朝鮮はそれを全面攻撃とみなし、壊滅的被害を避けるためにあらゆる手を使うだろう」「だから私は、米国の先制攻撃という『処方箋』は病気を悪化させるだけだと考えている」と話した。

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最終更新:7/12(水) 13:41
The Telegraph