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<特選アーカイブ>アフガニスタン~「ザルミーナ」公開処刑された女性を追って(7)長女が語った意外な言葉 写真3枚【玉本英子】

7/12(水) 6:30配信

アジアプレス・ネットワーク

◆ザルミーナの娘たちのもとへ

1987年に設立されたアジアプレスは今年で30周年。7月22日~29日まで東京にて記念イベントが行なわれます。その一環で「ザルミーナ」(2004・監督:玉本英子)を上映します。それにあわせ、過去に取材・発表した記事を特選アーカイブとして掲載します。(イベントにつきましては下欄をご覧ください)

【関連写真を見る】家ではしゃぐ、ザルミーナの子どもたち

(※2003年初出のアーカイブ記事。情報等は当時のまま)
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カブールでジープを借り、西に延びる幹線道路をひた走る。
穴だらけのがたがた道で車内の天井に何度も頭をぶつけながらおよそ5時間。

ようやくワルダック州にあるザルミーナの長女が嫁いだ村にたどりついた。

パシュトゥン人が暮らすこの村は、戦争があったことを忘れさせるほど静かで、のどかだった。

どの家も外から見えないような高い土塀でかこまれ、まるで要塞のようだ。

◆ザルミーナの夫殺しの第一発見者、長女に会う

私はブルカをかぶって車から降り、家のなかにはいった。
叔父は家の主と男たちの部屋へ向かう。

私と女性通訳は、奥まったところにある女性用の別室へ通された。
10人ほどの女性たちが、私たちの突然の訪問に驚きながらもあたたかく迎えてくれた。

ひときわ笑顔が愛らしい女性が、ザルミーナの長女ナジバ(20)だった。
ザルミーナに似ていると叔父から聞かされていたので、その面影を彼女の顔から感じとろうしてみた。

彼女は農業を営む夫と二人の子ども、夫兄弟の家族の30人でひとつの家に暮らしていた。
5年前、ザルミーナが刑務所に入ってすぐに結婚が決まったという。

ナジバは兄嫁たちに命じられ、お茶やお菓子の用意に忙しくうごきまわっていた。
私はトイレに連れていってほしい、とナジバに頼むことで彼女ひとりを中庭へ連れだした。

処刑された母親の話で彼女が傷つくようなことはしたくない。
私は慎重に言葉を選びながら、お母さんのことを聞いていいですかと、ナジバにたずねた。

すると、彼女はあっさりとした表情で、いいわよ、と答えた。
ナジバは事件について当時を思いだしながら、話しはじめた。
彼女は事件の第一発見者だった。

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