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中国で現金はいらないー屋台も市場もタクシーも支払いはウィーチャット

7/12(水) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

私が客員研究員を勤める日本銀行北京事務所は北京市東部の幹線道路・三環沿いの地下鉄「国貿駅」のそばにある。通称CBDと呼ばれるエリアに位置し、グローバル企業がオフィスを構える。高級マンションやブランドショップが立ち並ぶ国際商業地区だ。

【画像】レストランでの会計はスマホ決済が常識。割り勘もお互いに送金すればいい。

昼食時によく利用する老舗北京料理店がある。私のお気に入りは北京料理「ジャン爆鶏丁(角切り鶏肉ときゅうりの味噌炒め)」だ。食後はテーブルに座ったまま決済するのが北京スタイルだ。

「カード? ウィーチャット?」

店員の問いかけに「現金」はない。同僚が代表してウィーチャットで支払う。テーブルの端に置いてあるPOPに印刷されているQRコードをスマートフォンでスキャン。我々が食べた料理の名前と値段がズラリと画面に表示された。料理や品数を確認すると、ウィーチャット上の支払いボタンをタップし指紋認証で完了となる。支払いにかかった時間はわずか数秒だ。店員は一切関与しない。

代金は約80元で、私が40元をウィーチャットで送金して割り勘の支払いを終えた。アカウントの中に残金がなかったため、あらかじめ紐付けておいた招商銀行の口座から直接支払ったが、送金手数料はかからなかった。

朝、通勤時に街角の屋台で油条(揚げパン)と豆乳を買うときも、仕事帰りに市場で野菜を買うときも、支払いはウィーチャットだ。深夜のタクシーでは、釣り銭で偽札をつかまされるリスクがあるため、必ずウィーチャットを使う。月ごとに出入金が項目表示されるため、家計簿をつける必要もなくなった。

レストラン、食堂、コンビニにとどまらない。道ばたで雑貨や青果などを売っている露天商から買うときもウィーチャット。公共料金や宗教施設でのお布施の支払い、また、紅包と呼ばれる祝儀やお年玉を個人間でやり取りする場合もウィーチャットを使う。朝から夜まで、年間を通して、スマホさえあれば、財布なしで北京の都市生活は完結する。

この「微信支付(ウィーチャットペイ)」サービスが始まったのはわずか3年前の2014年。たった3年で、北京市民が現金を触る頻度は激減した。

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