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東芝、メモリー売却でWD・鴻海と再交渉。「日米韓連合」の調整に時間

7/12(水) 9:40配信

ニュースイッチ

米裁判所、東芝にWDへの情報遮断解除を暫定命令

 東芝の半導体メモリー事業売却をめぐる同社と米ウエスタンデジタル(WD)の対立が節目を迎える。米裁判所は11日、東芝に対し、合弁事業としてWDの従業員にデータベースやチップのサンプルへのアクセスを認めるよう暫定的に命じる判断を下した。

 一方、東芝が優先交渉先に選んだ「日米韓連合」との契約は、韓国SKハイニックスが経営への関与を求めたことで調整が難航。経営再建の切り札であるメモリー事業売却の行方はなお不透明。東芝は11日、主要取引行と会合を開き、半導体子会社「東芝メモリ」の売却をめぐり、WDと台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と再交渉していると説明した。優先交渉先である「日米韓連合」との調整に時間がかかっており他陣営とも協議を進める。

 関係者によると、産業革新機構、日本政策投資銀行、米ファンドのベインキャピタルなどで形成する日米韓連合との調整に時間がかかっており、東芝は同連合に了承を得た上で、他陣営と交渉を進めていると説明した。
 
 東芝は上場廃止を避けるため、東芝メモリを17年度中に売却したい考えで、正式契約に向け産業革新機構を軸とした「日米韓連合」と優先交渉してきた。同連合はWDとの係争解消を求めているが、東芝はWDに全面敗訴しなければ、とりあえず「粛々と売却手続きを進める」(関係者)意向。ただ、合弁持ち分を移転できないままでは「最終的に東芝メモリの価格は下がるだろう」(ファンド関係者)。2兆円の価値の維持には売却前にWDに同意権を放棄させる必要がある。

 交渉の強力なカードになるのが、四日市工場(三重県四日市市)に建設中の「第6製造棟」だ。東芝とWDは合弁会社を通じて四日市工場に生産設備を共同投資し、生産したメモリーチップを分け合ってきた。同工場の各棟ごとに合弁会社を設立してきたが、第6製造棟をめぐってはまだ契約を結んでいない。

 東芝は日々の工場運営をほぼ一手に担っており、第6棟での生産設備導入について「WDとの共同投資を協議中だが、成立しない場合は東芝メモリ単独で導入予定」との方針を示した。WDが第6棟に関われず、先端チップを調達できなければ経営に与える負のインパクトは大きい。

 こうした状況から、東芝は第6棟の合弁契約を締結する代わりに、メモリー資産の移転・売却に対する同意権の放棄をWDに求める可能性が高い。ただ訴訟戦略としてWDは「契約内容で東芝に譲歩を迫ってくるだろう」(早川吉尚弁護士)。

 例えばチップを東芝メモリより有利な条件で調達できるなどの契約が考えられる。東芝が大きく押し切られれば、同意権を放棄させても、東芝メモリの事業価値が下がる結果に陥る。WDとの困難な交渉はまだ続く。

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最終更新:7/12(水) 9:40
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