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今年上半期の「太陽光関連事業者」の倒産は過去最多

7/12(水) 15:30配信

東京商工リサーチ

 「太陽光関連事業者」の倒産が過去最多を更新した。2017年上半期(1-6月)の倒産は45件に達し、これまで最多だった前年同期の30件を15件(前年同期比50.0%増)を上回った。
 負債総額は165億2,500万円(同6.2%減)と前年同期を下回った。これは2016年3月に新電力の日本ロジテック(協)(TSR企業コード:298943107、東京都)が負債約120億円を抱え、銀行取引停止処分を受けたことによる。2017年上半期の最大の倒産は、太陽光発電モジュール製造販売の(株)ZEN POWER(TSR企業コード:872097005、福岡県)の負債52億円だったが、全体では2016年1年間の68.1%に達しており、負債も前年を上回る水準で推移している。
 東京商工リサーチが6月30日に発表した「2016年電力事業者の新設法人調査」では、太陽光を利用エネルギーとする電力事業者の2016年の新設数は1,045社と前年比28.7%減だった。新規参入の減少、既存企業の淘汰が進む太陽光関連業界は、本格的な冬の時代を迎えつつある。

※本調査は、ソーラーシステム装置の製造、卸売、小売を手がける企業、同システム設置工事、コンサルティング、太陽光発電による売買電事業等を展開する企業(主・従業は不問)を「太陽光関連事業者」と定義し、集計した。
※「太陽光関連事業者」の倒産は2000年1月より集計している。

負債額別 負債額1億円未満が約5割

 負債別では、1億円以上5億円未満が最多の20件(構成比44.4%)だった。一方、負債1億円未満は21件(構成比46.6%)とほぼ半数を占めた。前年同期は負債1億円未満が12件(同40.0%)で、負債の小型化が鮮明になっている。

原因別 「販売不振」が半数

 原因別では、最多は「販売不振」で22件(構成比48.8%)と全体のほぼ半数を占めた。次いで、「事業上の失敗」の6件(同13.3%)が続く。「運転資金の欠乏」、「他社倒産の余波(不良債権発生)」は、件数は少ないが前年同期から2倍となった。

 2017年上半期(1-6月)の太陽光関連事業者の倒産は45件で、2000年1月の集計を開始以降、上半期では過去最多を記録した。上半期(1-6月)では、2013年同期が16件、2014年同期が13件、2015年同期が25件、2016年同期が30件と右肩上がりで推移し、3期連続の増加となった。
 2011年3月の東日本大震災を受け、再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)の固定価格買い取り制度(FIT)が成立。太陽光業界は、各方面から有望市場として注目された。しかし、度重なる固定買い取り価格の引き下げや、相次ぐ新規参入などで環境は激変し、太陽光関連事業者の淘汰が本格化している。
 2016年5月に改正再生可能エネルギー特別措置法が成立、2017年4月1日に全面施行された。経済産業省は多様なエネルギー源の確保や国民負担の抑制、電力の効率的な取引・流通の実現の観点から、太陽光に偏重している再生可能エネルギーの電源間バランスの改善に向けた動きを進めている。4月の全面施行で電力会社との接続契約が未締結の認定は失効し、住宅用太陽光の固定買い取り価格は今後も段階的に引き下げられる予定で、太陽光発電への優遇策はさらに縮小する。このため安易に参入した太陽光関連事業者を中心に、今後も淘汰が進む恐れがあり、2017年は通年でも過去最多の倒産件数を記録する可能性が強まっている。

東京商工リサーチ