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避難長期化、高まるエコノミー症候群リスク 医師らが予防指導 九州豪雨1週間

7/12(水) 10:54配信

西日本新聞

 九州豪雨から1週間。避難所で生活する被災者に、呼吸困難などをもたらすこともあるエコノミークラス症候群のリスクが高まっている。窮屈な姿勢で長時間過ごすと発症するとされ、熊本地震でも車中泊の人などに発症が相次いだ。福岡県朝倉市や大分県日田市では医師らが避難所を訪ね、予防指導に乗り出した。

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 朝倉市では11日、熊本地震で調査に当たった福岡、宮城、新潟3県の医師4人が避難所を訪れ、ふくらはぎの触診や簡易エコーを使い、兆候がないか調べた。

 同症候群は、寝たままや座った状態で長時間過ごすことで足に血栓ができ、肺などに詰まって呼吸困難を引き起こす。石巻赤十字病院(宮城県)の植田信策医師らは、足首の運動やマッサージの仕方など予防法を実演。「適度な運動が効果的だが、家の片付けなどで疲れをためすぎるのは良くない」と呼び掛けた。

 九州豪雨の被害は高齢者が多い山間部に集中した。予防には水分補給が重要だが、足腰が悪くて移動が困難な人は水分を取らず、リスクが高まるという。左半身にまひがある日田市の山本史郎さん(60)は「意識的に水分を取り、トイレに行って動くようにしている」と話す。

 車中泊もリスクを高める。朝倉市杷木で母(84)と犬2匹と車中泊を続ける女性(44)は「犬がいるので避難所に入れない。窮屈で心配」と話す。市の保健師は避難所を毎日巡回し、注意喚起を続けている。

 熊本県によると、熊本地震の被災者のうち同症候群で入院したのは、今年3月10日までで54人。65歳以上の高齢者が3分の2を占め、女性の割合が男性より3倍以上多かったという。西日本新聞の調べでは、震災関連死182人のうち、少なくとも3人に疑いがある。

=2017/07/12付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:7/12(水) 10:54
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