ここから本文です

八戸製錬設立50周年 国内亜鉛生産リード、地元経済や雇用に貢献

7/12(水) 10:56配信

デーリー東北新聞社

 青森県八戸市河原木に亜鉛や鉛などの生産拠点「八戸製錬所」を構える八戸製錬(東京、吾妻伸一社長)が1967年2月の設立から、今年で50周年を迎えた。臨海工業地帯に広大な敷地と工場を有し、熔鉱炉で亜鉛を生産する製法「ISP法」を採用した製錬所としては世界最大。半世紀にわたって地元経済や雇用に多大な貢献を果たしてきた。優れた技術力で国内の亜鉛生産をリードし、今後も一層の事業強化と飛躍を目指す。

 同社は八戸地区が64年に新産業都市に指定されたことに伴い、非鉄金属大手6社が共同出資で設立。68年に八戸製錬所が操業を開始した。青森県と市の誘致企業で、県内11番目の認定。地元を中心に雇用し、従業員は関連会社を含め約300人に上る。

 八戸製錬所の敷地面積は約27万平方メートル。ISP法を用いて亜鉛と鉛の同時製錬を可能にする。原料は鉱石に加え、産業廃棄物を含むリサイクル原料を使用。リサイクル比率を高め、現在は全体の半分を占める。金や銀、銅などの有価金属を回収しやすいこともISP法の特徴の一つだ。

 主力事業である亜鉛の年間生産量は約11万2千トン。ガードレールや信号機の支柱などに使われる「蒸留亜鉛」、自動車用の亜鉛メッキ鋼板として普及する「精留亜鉛」の2種類を生み出す。蒸留亜鉛を供給する国内唯一の工場で、年間約7万8千トンを生産する。

 原料の鉱石は、主にオーストラリアやカナダ、南米から輸入しており、八戸港の振興にも寄与している。

 工場には自家発電施設を設置。製錬過程で生まれた排熱や排ガスをエネルギーとして有効活用し、自家発電比率は約60%に上る。亜鉛や鉛の他は、硫酸、石こう、スラグ、カドミウムなどを生産。工場全体のコンピューター管理や設備増強を進め、業務効率化による生産性の向上を図った。

 2011年3月に起きた東日本大震災の津波で被災したが、約3カ月で復旧。建物や機械設備をかさ上げし、変電所に防潮堤を築くなどの対策を講じた。環境面にも力を入れ、臨海工業地帯に立地する他企業と連携した「廃棄物ゼロ」の取り組みを推進している。

 吾妻社長は取材に「県や市、地域の方々のおかげで50周年を迎えられた。今後も技術を生かし、リサイクルによる社会貢献をしていく」と決意を示した。

デーリー東北新聞社