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脳のしわ複雑な人ほど…統合失調症高リスク 富山大グループ発表

7/12(水) 0:50配信

北日本新聞

 統合失調症の発症リスクが高い人のうち、左脳の後ろ部分のしわ(脳回)がより複雑に入り組んでいる方が発症しやすい可能性があることを、富山大附属病院神経精神科の笹林大樹助教(30)、鈴木道雄教授(59)らのグループが明らかにした。同グループは世界初の発見で、発症のメカニズムの解明や早期診断につながる可能性があるとしている。

 研究は笹林助教と鈴木教授らのグループが、東京大、東邦大、東北大と共同で行った。11日付の米科学誌「バイオロジカル サイカイアトリー」の電子版に掲載された。

 統合失調症は幻覚や妄想などさまざまな症状を伴う精神疾患。早期の発見、治療が有効とされる。胎児期の神経発達の過程に起こる何らかの変化が脳機能の異常をもたらすと考えられているが、発症のメカニズムや原因は十分に分かっていない。

 研究では、軽度の幻覚や幻聴があり統合失調症を発症する可能性がある「発症高リスク群」の104人と、健常な104人の脳の磁気共鳴画像装置(MRI)のデータを収集。脳回の入りくみ具合を数値化して比較したところ、発症高リスク群は健常群と比べ、脳の広い範囲で複雑さを表す値が高かった。

 さらに、発症高リスク群の経過を観察。後に発症した人と、そうでない人の左脳後部の数値を比べると、発症した人たちの方がしわがより複雑になっていることが分かった。発症リスクが高い人のうち、左脳後部の脳回が複雑化している人ほど発症するケースが多かったため、発症を予測する手掛かりになると考えられる。

 笹林助教は「今回のような研究成果を積み重ね、統合失調症の早期診断や治療につながればいい」と話している。

北日本新聞社

最終更新:7/12(水) 7:06
北日本新聞