ここから本文です

潜水中の職員不明「計画ずさん」、ハラスメントにも言及 沖縄科学技術大学院大学・外部委

7/12(水) 8:50配信

沖縄タイムス

 沖縄科学技術大学院大学(OIST、ピーター・グルース学長)の男性職員=当時37歳=が昨年11月、本部町と伊江島間の海底で計測機器設置の作業中に行方不明になった事故で、外部の有識者でつくる潜水事故対策検討委員会が「ずさん、自己過信、準備不足の潜水計画、それを検証せず任せきりにしたプロジェクトの進行と、それらを助長する方向に働いた組織管理で生じた、回避が十分に可能な事故だった」と結論付けていることが11日、分かった。

 検討委は、この作業は心身ともに万全の体調で臨むべき難易度が高いものだったが、男性が所属する部署内の「人間関係の不調和が男性に与えていた過度の精神的負担は、事故発生要因として無視できないレベルにあった」とも言及している。同僚が、過去に男性らに対して送った叱責(しっせき)のメールが「社会通念を逸脱した表現で、男性や関係者らへのハラスメントに該当することも十分に考えられるものだった」としている。

 さらに研究担当副学長の潜水作業業務に対する危険性の認識が甘く、男性と一緒に潜水作業に従事した同僚1人の判断に依存していたことを看過し、事故を招いたことは「管理上の責任が問われる問題」と強調。研究や研究支援、安全衛生管理・研究上のリスク管理は本来独立して管理すべきものを副学長1人に集約され、「組織構造上の不備を放置したことはOIST執行部にもその責任の一端がある」と言及した。

 作業計画ではトラブル発生の可能性は考慮されず、部署のリーダーである准教授の潜水作業への「無知・無理解」と、男性の同僚に対する准教授の「無条件の信頼」、研究の安全管理への責任感の欠如は大きく、「この意識欠如が事故の大きな背景だ」と指摘している。

 沖縄労働基準監督署はOISTに対し、潜水業務従事者への半年以内に1回の健康診断の未実施など計3件の労働安全衛生法違反を指摘し、是正勧告している。

 OISTによると、男性は6月に死亡が認定されている。名護海上保安署は「業務上過失致死の疑いで捜査を継続している」との見解を示した。OISTは12日、ホームページで報告書を公開する予定。

最終更新:7/12(水) 14:40
沖縄タイムス