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【今宮純のキャッチポイント】母国GP4連覇に挑戦するハミルトン、レッドブルも新たな空力を投入か

7/12(水) 18:10配信

オートスポーツweb

イギリスGPの伝統に挑戦するハミルトン 
ダークホース、レッドブルの“空力のタマ”にも注目
 イギリス国内では今年になってから“テロ事件”が続き、ビッグイベント開催時の警備が最高レベルにある。昨年13万9000人(決勝)を集めたイギリスGPだけに、入念なセキュリティ・チェックが行われることになるだろう。

例年イギリスGPに空力のアップデートを導入しているレッドブル

 スポーツの夏真っ盛り。決勝日には「ウインブルドン・テニス決勝」もあり、英国民にとってはスポーツ観戦三昧の時期だ。

 昔ナイジェル・マンセル、今ルイス・ハミルトン。「ファンから力をもらって勝てた」と彼らが言うのも、あの熱気を身近に感じると、決してけ大げさではない。すべてのコーナーで見つめられるプレッシャーがアドレナリン効果になる母国イギリスGP──。

 2014年からハミルトン3連勝中、08年を含めると4勝を挙げている。昨年、FP1から全セッションでトップ、ポール・トゥ・ウインを決めた。今年も主役はハミルトン、ファンの視線が注がれる。

 そして、最大の見どころは、なんといってもセクター2。ハイスピード・コーナリングマシンに進化したF1豪速パフォーマンスに注目。ここには9コーナーが連続、とくに旧ターン1のコプスからマゴッツ~ベケッツ~チャペルの超高速S字(いやW字)はさらにチャレンジングに。通過速度は昨年より10~20km/hアップは確実、高いギヤで踏み切ることになるだろう。


昨年の予選セクター2タイムの順位
1位:ルイス・ハミルトン 36秒304
2位:ニコ・ロズベルグ 36秒636
3位:マックス・フェルスタッペン 36秒702
4位:ダニエル・リカルド 36秒704
5位:セバスチャン・ベッテル 36秒980
6位:キミ・ライコネン 37秒050

 ほぼここでのセクタータイム順で、予選順位が決まった。セクター2勝負、やる方も見る側もそう思う、シルバーストンの肝だ。


 つけ加えると、昨年予選10位に食い込んだフェルナンド・アロンソはトップ6に迫る37秒440、このセクター2では9位だった。パワーユニットのパワーハンデがありながら匠の技を見せた。

 昨年Q2でハミルトンが最速1分29秒243を記録したが、このタイムが破られるのは必至。母国グランプリ4連覇を名手ジム・クラークが1962~65年に達成、マンセルも4勝している。それらのレコードに挑むハミルトン、イギリスGP伝統への挑戦が見物だ。

■今宮純が厳選するF1第9戦イギリスGP 6つの見どころ

■キャッチポイント1
雨が降りそうで降らなかったオーストリアGPだが、降りそうで降るのがイギリスGP。シルバーストンではこの10年間にウエット・セッションの確立が約50%。いつ雨雲がくるか、ドップラー・レーダーでは不明。各チームは“天候スポッター”を配備、そういうスタッフをあちこちで見かける。

■キャッチポイント2

 予想されるのはメルセデス対フェラーリだが、ダークホースはレッドブル・TAGホイヤー(ルノー)。エイドリアン・ニューウェイはいつもここに“空力のタマ”を出してくる。

 ダニエル・リカルド3位入賞のオーストリアGPはその“前振り”、セクター2だけでなくそのエアログリップ効果はどうか。さらに『エクソン・モービル』が新燃料アップデートを予定、ワークス・ルノーとは別ブランドで、それが両チームここまでの戦果の差になっている。

■キャッチポイント3
 フェラーリ・パワーユニットの開発にも動きがあった。イギリスGPに新バージョン投入予定だが、その開発リーダーが最近辞任。またも気になるフェラーリ内部の“人事異動”だ(ベッテルはこれに対しては“ノーコメント”)。新バージョンによって、予選に強いメルセデスに肉薄できるか。

■キャッチポイント4
 タイヤチョイスが大胆に分かれた。スーパーソフト最多10セットのマクラーレン、予選で中間チームの頭に出たい。フェラーリ多め9セット、メルセデス少なめ6セット、フェラーリには、明らかな予選重視が読みとれる。

 2強とは異なる選択をしたレッドブル、スーパーソフト8セット、ソフト4セット。いい狙いかもしれない。雨がどこかで絡むシルバーストンではドライセットを温存できる。濡れ乾きコンディションを望む彼ら、“全天候型(?)”のチョイスか。

■キャッチポイント5
 1950年5月13日に始まったF1グランプリ第1戦から966戦目のイギリスGP。今後の開催継続に暗雲が立ち込めている。10年にバーニー・エクレストン氏とかわした現行契約は27年まで、毎年その契約金が5%上がり、最終的には推定2600万ポンド(約37億9600万円)になる。この契約をどうするか、事前協議がこのイベント前後から始まる。

■キャッチポイント6
 昨年に試された“ハロ”に変わる、シールドタイプのコクピット・プロテクション・システムの実験走行が実施される。フェラーリが担当するが、その実物の見映えはいかに? 超高速コースでのテスト次第で、近未来F1デザインの方向性が決まっていくかもしれない。

[オートスポーツweb ]