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プロ意識高い嗣永桃子さん、洗練された言葉選び

7/12(水) 4:49配信

日刊スポーツ

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

 つくづく頭のいいコメントをする人だと思った。「ももち」こと嗣永桃子さん(25)だ。先月30日、東京・青海の特設野外会場で行ったソロコンサートをもってアイドルから卒業し、芸能界引退したので「さん」と敬称を付けた。この表記にはまだ慣れなさそうだ。

【写真】嗣永桃子「ももち」アイドル人生ピリオド/写真特集

 開演前に、最後の囲み取材があった。新聞の紙面の記事は「15年間スキャンダルなし」というワンテーマで書ききったため、質問や答えの全てを掲載することはできなかった。ただ、一言一句に意味があるとも思ったため、ネット上の記事では6000文字以上ある一問一答を全て掲載した。ツイッター上などで大反響だった。

 もちろん、自分大好きのナルシシスト発言に代表される「ももち節」は最高だった。取材中に何度も笑わせられ、「記事で使いたいな~」という誘惑にかられた。ラストデーに「6月30日」を選んだ理由を説明した後、「今日は平日ですけども、決行させていただきました。ただ、プレミアムフライデーということで。卒業を決めた後に国が決めたので、国もついに私に合わせるようになったかなと思います」とおどけてみせた。ユーモアに富んでいた。

 「言葉の選び方」も洗練されていた。「幸せになってね」と願うファンに向けて「ありがとう」と感謝しつつも、「ももち節」で返した言葉が一例だ。

 「私は見ての通りビジュアルもいいし、愛嬌(あいきょう)もあるし、運も持っているので」

 「ビジュアル」は「いい」、「愛嬌」は「ある」、「運」は「持っている」。主語と述語が、全て違う。非常にきれいな、テンポの良い日本語になっている。自分もそうなのだが、こういった時「ビジュアルもいいし、運もいいし」「愛嬌もあるし、運もあるし…」など述語が重なりがちだ。ステージ上や、記者からの質問に対して瞬発的にフレーズを返せるというのは、「日本語力」が高いと言えるかもしれない。

 嗣永さんの引退について、所属事務所のスタッフは「正直、失ったものは大きい。ああいう頭のいいトークをできるアイドルはなかなかいないですから。もちろん後輩メンバーたちにもセンスのあるメンバーはいますが、嗣永レベルの子はしばらく出てこないんじゃないかな…」とぼやいていた。

 かたや、プライベートではスキャンダルゼロ。一部ファンからは「嗣永プロ」と呼ばれるプロ意識の高さで知られていた。イベントごとの囲み取材についても、あらかじめ質問をいくつも想定し、最善の答えを複数準備していたという。芸能界引退後は、児童教育の道に進むというが、個人的には「15年間ずっと気を張り続けて頑張ってきたのだから、しばらくゆっくりしてもいいのでは」と思っています。ただ、親しい関係者は「嗣永は卒業後も嗣永ですよ」と話し、こう推測した。

 「ずっとあんな感じでやってきたわけだから、いきなりゆっくりというわけにもいかないと思いますよ。恋愛? 結婚? う~ん、すぐにはできないと思います。嗣永は嗣永。アイドル道と同じように、児童教育の道を突き進んでいくんじゃないですかね」

 ももち。いや、嗣永さん。お疲れさまでした、と言うのは、まだ早いのかもしれませんね。究極のプロ意識で次のステージで活躍して、またいつか取材できる日が来ることを願っています!

最終更新:7/12(水) 7:44
日刊スポーツ