ここから本文です

「ISと最も真剣に戦った」という国が語る中東の今 相次ぐ断交・米政権への不信…「日本に期待」

7/16(日) 7:05配信

withnews

 イスラム教シーア派の地域大国イラン。「中東の覇権」をめぐってサウジアラビアと対立し、独特の存在感を示しています。一方で、親日国としても知られています。過激派組織「イスラム国」(IS)をめぐって中東が揺れ続ける中、イランは国際社会とどう向き合い、日本とどんな関係を結びたいと考えているのでしょうか。6月末、ナザルアハリ駐日大使に単独インタビューしました。(朝日新聞政治部記者、下司佳代子)

【写真特集】盛り髪、うさみみ…イスラム女子のヒジャブ(スカーフ)活用コスプレ

イラン大使「最も真剣にISと戦ってきた」

 6月7日、イランの首都テヘランで国会などを狙ったテロが起きました。18人が亡くなったこのテロで、ISが犯行声明を出しました。大使はISをどう見ているのでしょうか。

 「イランは長年、中東地域における過激主義やテロ組織の拡張に警告してきました。2013年にはロハニ大統領が全ての国に暴力、過激主義の撲滅、掃討作戦を呼びかけました。現在、一番問題となっているのはISであり、彼らが一番危険だと言われています」

 「イランは地域でも世界でも、最も真剣にこのテロ組織と戦ってきた国です。イランはISに対する壊滅作戦で決定的な打撃を与えました。だからこそISはイラン国内で治安を乱し、罪のない人々を殺害し、影響力を誇示しようと考えたのだと思います」

 大使はISに対するイラン政府の強い姿勢を強調する一方、米国に言及し、チクリと皮肉りました。

 「米国などは、ある時はISと戦い、ある時は支援することがある。自らの目的達成のために利用することがあるのです。しかし我が国は一貫して、ISは掃討すべきである、戦うべきであると考えてきました。暴力と戦い、多くの犠牲者、殉職者も出してきたのです」

「サウジは対話で解決を」

 そんなイランは、サウジとの間でシリア内戦やイエメン内戦などをめぐる対立が深刻化。昨年1月には断交しました。さらに、今年6月に入り、サウジやエジプトなどの周辺国が、イランと関係の近いカタールと断交。地域の緊張が高まっています。大使はこの問題をどのようにとらえているのでしょうか。

 「大事なのは緊張関係をどう乗り越えるか。その解決に向けて取り組むべきだと考えます。カタールとサウジの間に政治的な対立はあるかもしれませんが、当事国が協議のテーブルにつくことによって解決すべきです。制裁を加えるとか、暴力に訴えるというやり方ではなく、対話によって解決すべきだと考えます。断交の理由については、サウジが述べていることのほとんどをカタールは否定していますが、イランは関与しません」

 サウジの対応に注文を付けた大使。あわせて、イラン、サウジ両国と良好な関係を築いている日本に対して、期待感も示しました。

 「6月27日、安倍晋三首相がサウジのムハンマド・サルマン皇太子と電話協議をしたと聞いています。そうしたハイレベル協議により、日本側が対話による解決を促していくことが大事です」

1/3ページ

最終更新:7/16(日) 7:05
withnews