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イケてるガラス筐体に高速AFカメラを積んだ3万円スマホ「HUAWEI P10 lite」

7/13(木) 6:00配信

Impress Watch

 ファーウェイ・ジャパンは6月9日、税込で約3万円と比較的安価な部類のミドルレンジ向けSIMロックフリースマートフォン「HUAWEI P10 lite」の販売を開始した。編集部から実機が送られて来たので試用レポートをお届けしたい。

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■IPS式5.2型フルHD、オクタコア/3GB/32GB

 1つ前のモデルになるが、筆者は別件で「HUAWEI P9」を使ったことがある。P9はダブルレンズによる広角でポートレートモード対応(あとからピンの位置を調整可能)、解像感の高いモノクロモードなど、カメラの写りは抜群で(おそらくiPhone 7 Plusよりもいい)、かなり興味を持ったモデルだ。

 そして今回ご紹介する「P10 lite」は、そのP9の後継機種で、同じくライカダブルレンズを搭載したハイエンドの「HUAWEI P10(Plus)」の弟分に相当。上位モデルの廉価版的な存在だが、実力も気になるところ。主な仕様は以下のとおり。

 SoCはKirin658でオクタコア。2.1GHz(4コア)と1.7GHz(4コア)という少し変則的な構成だ。詳細は後半のベンチマークテストを参照してほしいが、スコア的には最近掲載した「Snapdragon 625」に近い性能のようだ。

 メモリはLPDDR3の3GB。ミドルレンジでもついに3GBの時代になった。ストレージはeMMCで32GB。OSはAndroid 7.0を採用している。パネルは5.2型IPS式のフルHD(1,920×1,080ドット)。

 ネットワーク系は、IEEE 802.11ac対応無線LANとBluetooth 4.1+LE。NFCはない。SIMスロットはNano SIM×2(1基はmicroSDカードと排他)。そのほかのインターフェイスとして、Micro USB、microSDカードスロット、音声入出力。センサーは加速度、コンパス、ジャイロ、環境光、近接、指紋センサー、GPS(AGPS/Glonass)を搭載する。

 カメラは背面のメインが1,200万画素、F2.2、像面位相差AF+コントラストAF、手ぶれ補正機能は電子式。前面のインカメラは、800万画素でF2.0。

 対応バンドは前述の表のとおり。LTEで下り最大262.5Mbps(LTE)、上り最大50Mbps(LTE)。また、au VoLTE対応予定になっている。

 本体サイズは約146.5×72×7.2mm(高さ×幅×厚み)、重量約146g。急速充電対応の3,000mAhのバッテリを内蔵し、連続通話時間 WCDMA:約21時間、最大待ち受け時間 WCDMA:約564時間。カラーバリエーションは、サファイアブルー、パールホワイト、ミッドナイトブラック、プラチナゴールドの4種類。

 税別店頭想定価格は29,800円前後。ミドルレンジとはいえ、この内容で約3万円とはずいぶん安くなったものだ。

 筐体は、表面/背面ともに硬度7Hの2.5D曲面加工を施したガラスを採用。美しい仕上がりでチープ感は欠片もない。写真からもわかるように薄目でパネル左右のフチも細く、結構スタイリッシュだ。重量は実測で146g。サイズ感とともに扱いやすい。

 前面はパネル中央上にスピーカー(通話用)。その左にインカメラ。背面は、左上にメインカメラ。上側中央に指紋センサー。先に書いたようにガラスの手触りと光沢感がなかなかいい。右側面に音量±ボタンと電源ボタン。下側面にスピーカーとMicro USB。左側面にSIM/microSDカードスロット。上側面に音声入出力を配置。

 付属のUSB式ACアダプタは約50×40×25mm、重量は50g。出力は5V/2Aと9V/2A。9V対応なので少し大きめだろうか。後者で急速充電に対応している(充電10分で動画再生2時間可能とある)。

 5.2型IPS式フルHDのパネルは、非常に明るくコントラストや発色(少しハデめ)、そして視野角も良好。400を超える高PPIなので文字などのジャギーも目立たずスムーズ。約3万円のモデルでこのパネルなのだから、なかなかいい時代になったものだ。

 ノイズや振動は当然皆無。発熱もカメラ連続撮影やベンチマークテストも含め、試した範囲では問題ないレベルに収まっている。

 サウンドはスピーカー出力はモノラルだが結構パワーがあり鳴りっぷりがいい。しかしイヤフォンで視聴したところ、パワーも低音も出ているが、中~高域がこもり気味。そのため全体的にもやっとして抜けが悪く解像度も低い。

■価格帯のわりにがんばっているカメラ

 背面のメインカメラは、35mm換算26mm(実際は4mm)、F2.2。解像度1,200万画素。これ自体はほかの機種とあまり変わらないが、1ピクセルの直径が1.25μmのセンサーを採用、像面位相差フォーカスとコントラストフォーカスの2つを搭載し、低価格な製品のわりにはがんばったハードウェアとなっている。

 ただし光学式の手ブレ補正は非搭載。低照度でラフに扱うとブレた写真の連発となるので注意が必要だ。

 設定は、解像度(12M/9M/8M/6M)、GPSタグ、カメラグリッド、水準器、タイマー、音声シャッター、オブジェクトトラッキング、音量ボタンの機能、画像調整。

 撮影モードは、写真、プロ写真、動画、プロビデオ、HDR、コマ抜き、ウォーターマーク、音声写真、文書スキャン、パノラマ、ライトペインティング、スロー、全フォーカス、フィルタ、その他。

 「プロ写真」では、ISO AUTO/100~1600、シャッタースピード AUTO、1/4,000~8秒、EV -4~+4、AF AF-S、AF-C、MF、オートホワイトバランス AWB、曇り、蛍光灯、白熱灯,、 晴れ,、 2,800K~7,000Kの設定が可能だ。

 以下、作例を10点掲載する。

 基本プロ写真モード/12M(2,976×3,968ピクセル)で撮っているが、露出補正も含めほとんど何も触っていない(七夕はプラス補正)。全体的な動作は速く、AFも結構正確で迷うことはない。少し前に紹介したASUS「ZenFone Zoom S」ほどではないものの、とくにストレスを感じることはないと思われる(ワイド/テレのデュアルレンズ搭載でAFも高速な5.5型スマホ「ZenFone Zoom S」参照)。

 発色もわりとニュートラルで扱いやすい。作例のなかで一番ISO感度が高いのは(薄っすら空が青い)夜景の引きでISO 1250。等倍で見ると少し描写は緩めだが、それほどノイズは気にならない。しかしミドルレンジでこの操作感と写りとなると、ハイエンドは差別化するのに大変そうだ。

■セットアップ

 初回起動時のセットアップ(SIMや指紋はあとで設定)は計12画面と少なめ。独自アカウントやアプリなどの設定もなく、サクッとセットアップでき好印象。

 また、以前ご紹介した同社の「MediaPad T3 10」と比較しても、スマートフォンかタブレットかの違いはあるものの、ほぼ同じ。同社のユーザーであればさらにわかりやすい(LTE付きで2万円台前半のファーウェイ「MediaPad T3 10」参照)。

 指紋登録は、PINやパスワードなど、一般的なロック方法を登録したあとに行なえる。登録方法は他社も含めてほとんど変わらず。反応もよく、センサーの場所が背面の上の位置なので、左右の人差し指を登録すれば不自由なく一発でロック解除できる。

 APN一覧はSIMを入れると同時に表示される。メジャーなものは登録されているので選ぶだけで準備完了。デュアルSIM管理は、SIM 1枚では有効にならず、2枚の状態でデフォルトのデータ通信用と通話用を設定できる。また、サブのSIMへの着信をメインSIMへ転送する機能もあるが、いわゆるDSDS(Dual SIM - Dual Standby)ではない。

■Android 7系+αのアプリ群

 初回起動時のHome画面は3画面。1画面目は何もなく、2画面目はGoogle系、3画面目によく使いそうなアプリを配置している。

 ストレージの空きは約20GB(初期設定の画面キャプチャが若干入っている状態)。Android 7.0なので、画面分割も機能する。UIは同社のEMUIへ変更されているもののわりと素のAndroidに操作性は近く扱いやすい。ただ立体っぽいアイコンは古臭い感じがしないでもない。

 標準搭載のアプリは、「Playストア」、「ギャラリー」、「カメラ」、「電話」、「連絡先」、「メッセージ」、「Chrome」、「端末管理」、「テーマ」、「音楽」、「ビデオ」、「ヘルス」、「時計」、「カレンダー」、「設定」、「ファイル」、「メモ帳」、「メール」。

 Googleフォルダに、「Google」、「Gmail」、「マップ」、「YouTube」、「ドライブ」、「Play Music」、「Playムービー&TV」、「Duo」、「フォト」、「ドキュメント」、「スプレッドシート」、「スライド」、「Google+」、「Playブックス」、「Playニューススタンド」、「Playゲーム」。ツールフォルダに、「天気」、「電卓」、「音声レコーダー」、「懐中電灯」、「ミラー」、「HiCare」、「コンパス」、「バックアップ」、「ダウンロード」。

 これからもわかるように、GoogleのAndroid標準に+α的な構成で、独自で独特なものはなく、わりとあっさりめだ。普段使うアプリをGoogle Playストアからダウンロードすれば、不要アプリなどを消す手間もなく、即環境ができあがる。

 ウィジェットは、「Google Playストア」、「オプティマイザ」、「カレンダー」、「ギャラリー」、「連絡先」、「スプレッドシートの新しいスプレッドシート」、「スライドの新しいプレゼンテーション」、「時計」、「ドキュメントの新しいドキュメント」、「ドライブ」×2、「Googleアプリ」、「ヘルス」、「メール」、「メモ帳」、「マップ」、「音楽」、「画面ロック」、「書籍」、「設定のショートカット」、「天気」、「電源管理」、「Chromeのブックマーク」、「Gmail」。

 一点、興味深いのは、「ナックルセンステクノロジー」がミドルレンジのliteにも搭載されたことだ。文字どおり、拳骨を握り、人差し指の指関節を使い、パネル上で2回ノックで画面キャプチャ、Sの字を書くと縦に長く画面からはみ出した部分も含め画面キャプチャができたり、一の字(つまり水平に1本)を書くと、Android 7系固有のスプリット画面になったりと慣れれば便利そうな機能だ。

■ベンチマークテスト

 ベンチマークテストは「Google Octane 2.0」と「AnTuTu Benchmark」を使用した。Google Octane 2.0のスコアは4,889。AnTuTu Benchmarkは58,907。今回ランキングは掲載しなかったが、ハイエンドが並ぶため最下位となる。

 参考までにSnapdragon 625を搭載したNuAns NEO [Reloaded]は、Google Octane 2.0 5,098、AnTuTu Benchmark 63,829。若干Snapdragon 625のほうが高いスコアになっているがSoCのランク的には同じレンジと思っていいだろう。ハイエンドのように爆速ではないものの、ネットやアプリなどは普通に使えるレベルにある。

 バッテリ駆動時間は、Wi-Fi接続、音量と明るさを50%でYouTubeを連続再生させたところ、約9時間で電源が落ちた。これもNuAns NEO [Reloaded]と同じだ。ただバッテリが3,000mAhと容量的には少なく(NuAns NEO [Reloaded]は3,450mAh)、それで同じ時間駆動できるのだから、システム全体の消費電力はP10 liteのほうが気持ち少なそうだ。

 以上のように「HUAWEI P10 lite」は、明るく見栄えのする5.2型フルHDに、ミドルレンジSoC、3GB、32GBを搭載したスマートフォンだ。表面と背面にガラスを採用した筐体は美しく、カメラ性能も結構いい。カラーバリエーションも豊富で価格を考えると、かなりがんばっているほうだろう。

 イヤフォンからのサウンドが少し残念ではあるが、試用した範囲でとくに気になる部分もなく、約3万円でストレスなく普通に使えるスマートフォンを求めているユーザーにお勧めしたい逸品と言えよう。

PC Watch,西川 和久

最終更新:7/13(木) 9:37
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