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白鵬、藤井四段の前で“王”の相撲!“金”字塔まであと「7」/名古屋場所

7/13(木) 7:00配信

サンケイスポーツ

 大相撲名古屋場所4日目(12日、愛知県体育館、観衆=7580)横綱白鵬(32)が平幕貴景勝(20)を寄り切りで退け、初日から4連勝とした。土俵中央でのにらみ合いから“来い”とばかりに両手を広げる、仰天の内容だった。この日は将棋界で快進撃を続ける藤井聡太四段(14)が観戦。29連勝を達成した時の人を前に、貫禄を見せつけた。元大関魁皇の持つ通算最多勝利(1047勝)まで、あと「7」。いよいよ秒読みに入った。

 升席で観戦する地元・愛知出身の天才棋士を前に、白鵬が一世一代のパフォーマンスだ。突いて、張って、離れて、突いて…。初顔合わせの貴景勝とにらみ合った。約8秒間、動きが止まったその時、横綱が仰天の行動に出た。

 両手をぶらりと下げ、上体を起こして仁王立ち。そして両手を広げて「さあ、来い!」とばかりに手招きした。まるでぶつかり稽古。勢いよく飛び込んできた新鋭を組み止めると、一気に寄り返し土俵の外へ運んだ。

 「間があったから、攻めるより受けようと切り替えた。なんか、そうなってしまったね。まあ、あとはつかんで出るだけだったね」

 将棋界の新ヒーロー、藤井四段とは打ち出し後、初対面を果たした。デビューから公式戦29連勝で止まったが新記録を樹立した14歳に対し、相撲界で歴代2位の63連勝(1位は双葉山の69連勝)など数々の記録を持つ横綱は「またゼロから挑戦すればいい。若いからチャンスはなんぼでもあるよ」とエールを送った。

 世代は違えど、同じ勝負師。感じるものがあった。「静かなのがいい。静かさの中に強さがある。これから大人に成長していく。そのときの強さを見たいね」。すっかりホレ込んだ様子だ。

 藤井四段は小学生以来、2度目の生観戦で「気迫のぶつかりあいを体感させていただきました。自分も白鵬関のような堂々とした将棋が指したい」と感激。「自分の目的を果たす」という意味の『達心志』という言葉をしたためた自筆扇子を、横綱に贈った。

 「弟分ができたよ」

 上機嫌の横綱。通算勝利数は1040勝となった。元大関魁皇が持つ歴代1位まであと7勝。2位の元横綱千代の富士までは5勝に迫った。「余裕があるから、勝つんだよ」。高い志、強い心を持つ相撲界の王様は、目的に向かって一歩ずつ進む。