ここから本文です

孤立耐えた「地域の力」=大分・日田の集落に入った医師証言―九州北部豪雨

7/13(木) 4:50配信

時事通信

 九州北部豪雨で、1週間の孤立状態を余儀なくされた大分県日田市の山間部にある小野地区。

 救護班がヘリで同地区に入ったが、住民の健康に大きな異常は見当たらなかった。メンバーの医師は「住民同士の助け合いで難局を乗り越えた」と評価する。

 大分赤十字病院の医師高橋健さん(44)ら6人は11~12日に同地区を巡回し、76人を診察。高齢者が多く、連日の真夏日で熱中症やエコノミークラス症候群が心配された。しかし、特に問題のある人はいなかった。高橋さんは「片付け作業中も声を掛け合って水分補給や休息を取っていた」と語る。

 小野地区は、5日の豪雨で市街地への県道が土砂に埋まり孤立状態に。住民は自衛隊のヘリで市街地に向かうこともできたが、「避難所生活は疲れる」「自宅を離れるのが不安」といった理由で100人ほどがとどまった。

 自治会長らは、住民の状況や健康状態を把握。持病の薬を食料と共に送ってもらうように要請していた。「かつての水害の教訓などから、地域の結び付きが強いのではないか」と高橋さんは推察する。

 県道は12日に復旧し、孤立は解消。県は今後、保健師を派遣し見守りを続ける方針だ。東日本大震災などでも活動した高橋さんによると、被災者は当初、一時的な高揚状態にあるが、長期化すると気持ちが落ち込んで心身の不調をきたす恐れがある。高橋さんは「こうした点に留意し、被災者の希望に寄り添う形でケアをしてほしい」と話した。 

最終更新:7/13(木) 9:14
時事通信