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登山者へ浸透不十分 富士山の火山防災対策

7/13(木) 9:05配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 富士山噴火を想定した登山者への情報伝達方法の確認を目的に、静岡県と関係機関が12日に県内の3登山道などで実施した訓練で、参加者からは今後の課題を指摘する声が相次いだ。訓練は今年で3年目。御嶽山の噴火災害を契機に、富士山の火山防災対策の充実を図る機運は関係者内で高まったが、国内外から訪れる登山者への浸透はまだ不十分だ。

 ボランティアで模擬登山者を務めた静岡大3年の田中楓さん(20)は、噴火レベル3(入山規制)の訓練情報で富士宮口6合目から5合目まで下山した。中学時代に家族で登頂し、御来光を眺めた経験から「富士山が活火山という印象は一般的に薄い。日の出前の山頂付近の混雑を考えると、パニックで落石事故が起きる可能性もある」と懸念した。

 登山者に緊急情報を直接伝えるスマートフォン向け登山届のアプリは、認知度不足がネック。従来の日本語と英語に、本年度から中国、韓国、ポルトガルの各国語を加えた県の対策について、台湾の台北市政府消防局職員で訓練を視察した鄭文賢さん(47)は「外国人登山者にとってアプリは非常に有効」と評価した。その上で「来日外国人の多くはアプリの存在自体を知らない。旅行社などを通じて事前PRしてはどうか」と提案した。

 「危険が迫った時、登山道に逃げ場が少なすぎる。避難シェルターが必要」と求める神奈川県からの男性登山者(52)もいた。山小屋を経営する渡井弘子さん(75)は「最後まで残っても、登山者を助けるのが私たちの使命。御嶽山の教訓を風化させないため、訓練を続けていくことが大事」と訴えた。

静岡新聞社