ここから本文です

<米軍縮大使>核兵器禁止条約の実効性に疑問呈す

7/13(木) 9:00配信

毎日新聞

 ◇「核抑止力が欧州やアジアの平和と安全維持してきた」

 【ウィーン三木幸治】核兵器禁止条約が国連本部で採択されたことを受け、条約に反対する米国のロバート・ウッド軍縮大使が11日、毎日新聞の電話取材に応じた。ウッド氏は「核兵器禁止条約の参加国が北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルを防ぐ答えを持っていない」と述べ、条約の実効性に疑問を呈した。そのうえで「核抑止力こそが長年にわたって欧州やアジアの平和と安全を維持してきた」と訴え、現状での核保有の正当性を強調した。

 ウッド氏は▽条約に核保有国が参加しておらず、核軍縮を一歩も進めることができない▽核兵器廃棄などの検証計画がない--と指摘し、「(参加国が)いい気持ちになるための条約でしかない」と批判。米国が核兵器を更新している理由については「ロシア、中国が急速に核兵器を更新している」ことなどを挙げ、「核兵器レースをするつもりはないが、(安全保障上の)現実を理解することが必要だ。核兵器禁止条約は両国(の核政策)に何の影響も与えない」と主張した。

 核拡散防止条約(NPT)は、核保有国による核軍縮を定めると同時に、非核保有国が原子力を平和利用する権利を認めている。ウッド氏は、双方の利益のためには「妥協が必要」と指摘する一方、「核兵器禁止条約によって(条約)参加国は(核保有国に)妥協しなくなる」と見通し、核軍縮に貢献してきたNPT体制の結束が危うくなると懸念した。

 また、交渉に参加しなかった日本などに対して「(事前に)米国の立場を話してきた」と明かしたうえ「日本政府は条約が国益に沿わないと感じていたのは明らかだ」と述べた。今後も「日本などと条約について協議を続けていく」と表明し、関係各国に対して「条約が安全保障に与える影響を考え、署名をしないことを望む」と訴えた。

最終更新:7/13(木) 9:00
毎日新聞