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「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のシャレにならない描写… 名作映画に隠された米国の“闇”

7/13(木) 16:56配信

夕刊フジ

 スターチャンネルは、映画評論家の町山智浩氏を解説に迎えた特集番組「町山智浩の“最も危険なアメリカ映画”」を15日から放送する。「國民の創生」(1915年)やフランク・キャプラ監督の傑作「群衆」(41年)など、町山氏の著書にも登場した全9作。名作と評されながら、その内部には米国が抱え続ける“闇”が潜んでいるという。

 「60年以上前の作品である『群衆』や『オール・ザ・キングスメン』で、ポピュリズム(大衆迎合主義)の危険性がすでに描かれていました。金持ちの富を庶民に還元することを売りにしているんですが、これはドナルド・トランプ大統領が昨年の選挙で訴えていたことと同じです。米国は何も変わっていないんだなということがよく分かりますよ」

 特集の中にはマイケル・J・フォックス主演で一大ブームとなったSF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(85年)も。一体どこが“危険”なのか。

 「80年代から50年代にタイムスリップするという映画なんですが、これはかつての強かった米国を取り戻すという思想から出たものです。しかしそこには、60~70年代の反戦運動やカウンターカルチャー、黒人解放運動はありません。意図的にその時代を飛ばしたんです」

 劇中、マイケル演じる主人公が50年代の若者たちの前で「ジョニー・B・グッド」を演奏するシーンがある。

 「チャック・ベリーと思われる人物がそれを聞いて曲を思いつくという風に描写したんです。でも、チャックは自分が作曲したはずの『メイベリーン』を共作というかたちで、白人に権利を奪われてしまったことがあるんです。あれはシャレにならない描写なんですよ」

 映画を解説することの意義は、「一見すると見過ごしがちな演出を読み解くこと」と話す。

 「特集で取り上げたのは演出意図や背景などをしっかりと解説しないと理解できない作品でもあるんです。ムキムキのイケメンが大活躍する映画ではありませんが、現在の米国とのつながりを発見できる貴重な作品群だと思いますよ」

 放送は町山氏の解説付きで15日に4作、22日に5作をSTAR2セレクトで放送する。

最終更新:7/13(木) 17:05
夕刊フジ