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「Windows 10の無償アップグレードをもう一度!」 MS本社で情シス“魂の叫び”

7/13(木) 10:07配信

ITmedia エンタープライズ

 ITmedia エンタープライズ編集部主催、“情シスによる情シスのための”イベント、「俺たちの情シス 出張版スペシャル2」が6月29日に開催されました。テーマが「Windows 10移行 これが良かった/ここが困った」ということで、舞台を東京・品川の日本マイクロソフト本社セミナールームに移し、Windows 10移行にまつわるライトニングトークと交流会を行いました。

【Windows 10にアップグレードできていない3つの理由】

 Windows 10が登場したのは2015年の夏。リリースから約2年がたった今、多くの企業で、Windows 10への移行が進みつつあります。事前に「社内のPCで最も多いOSは何ですか?」というアンケートを行ったところ、Windows 10をメインに使っているという企業も約25%に達していました。

 今回、“敵地”でのライトニングトークに名乗りを挙げた猛者は4人(本当にありがとうございました)。彼らのWindows 10に対する熱い思いと導入にまつわる数々のエピソードをご紹介しましょう。

●「Windows 10の無償アップグレードをもう一度!」

 ライトニングトークのトップバッターは、SNSやソーシャルアプリ等を手掛けるIT企業の情シスOさん。タイトルは「Dear マイクロソフト様 告白&その想い」。最しょっぱなから怪しげな雰囲気が漂います……。

 冒頭から「実は私のPC、Windows 7なんです」と暴露したOさんは、Windows 10に移行できていない理由として3つを挙げました。

 まずは業務上、古いバージョンのIEを使わなければいけない場面があること。特に官公庁のWebサイトを閲覧する際に、Windows 10に入っているIE11ではなく、古いIEでないと正常に動作しないケースもあるため、Windows 7にせざるを得ないというわけです。2つ目は「クライアントからのテスト要件にWindows 7という指定がある」ことでした。

 Oさんは、このような背景からWindows 7を使い続けているうちに「Windows 10への無料アップデートの期間が終わって、タイミングを逃してしまいました」と告白。これが3つ目の理由です。「Windows 10の無償アップグレードをもう一度!」とOさん。この魂の叫びはマイクロソフトの中の人に届いたのでしょうか……。

 そして、「Windows 10でやってみたいことが多々ある」と“未練”たらたらのOさん。BitLockerでのドライブ暗号化、仮想デスクトップを使ったマルチタスク、Miracastによるワイヤレス投影などです。「情シスは複数業務を並列処理することが少なくありません。効率的にスマートに作業したい。Miracastを使えば、会議などの場面でもケーブルを使わずスマートに投影できます」(Oさん)

 さらにOさんは「せっかくだから」ということで、Office 365についても持論を展開。Oさんの会社では、パッケージ版のOfficeを使用しているとのことですが、その理由の1つとしてOffice 365のアカウント管理を挙げました。Oさんの会社では人員の変動が多く、「Office 365を使った場合、アカウント管理をどうすればいいのかまったく見えない状況」に陥ってしまったとのこと。

 「セキュリティを考えれば、最新のものがいいのは分かっているのですが……」とマイクロソフトの本社で、マイクロソフト製品に対して恐る恐る意見するOさんのしぐさに、会場は爆笑の渦。さすがは俺情の“切り込み隊長”、次回もいいブッコミを期待してます!

●全滅回避のため、各部門の部門長を犠牲にしてWindows 10検証

 続いて登壇したのは中小企業で情シスを担当しているTさん。「Windows 10への移行は終わっていませんが、検討事項。来年か再来年にはWindows 10に移行したい」と社内状況を説明しました。社内にあるPCは約120台で、現在はWindows 7を利用しているそうです。

 しかし、移行については課題が山積み。「互換性、予算。特に大きいのはアップデート管理」などが検討事項になっているそうです。

 Windows 10がこれまでのOSと大きく違う点の1つにアップデートの概念「Windows as a Service」があります。1年に2~3回というペースで行われるアップデートへの対応に不安を感じる人が多いことは、事前アンケートにも現れていました。

 Tさんは「現在は自動アップデート禁止。自作スクリプトを用いて、端末をシャットダウンするときにアップデートするようにしています。社内にはWindows Serverもドメイン環境もありません。Windows as a Serviceに使うWSUS、Intuneについては『何それ?』という状態」と社内状況を説明しました。

 「自動更新を切っている時点でWindows 10のコンセプトに逆行している。このような体制を取っているので、Windows 10にするときにはどうしたらいいのかと悩んでいます」と困り果てた様子。しかし、Windows 10へ移行する場合はWindows as a Serviceに合わせる必要があります。その際は一般の従業員はCBB、システム管理者はCB、検証機はIP(インサイダープレビュー)を想定しているとのこと。

 Windows 10の導入へ向けた検証では、各部門から1人ずつ、Windows 10へアップデートしてもらっているそうです。「全員のPCをアップデートして全滅するのは避けたいので、部門長やサブ部門長に犠牲になってもらうという考えです」とTさん。これは潔い。

●この間「Creators Update」があったばかりなのに……

 Tさんが気にしているのは、大型アップデートの頻度でした。マイクロソフトでは年2回の大型アップデートを予定しています。

 「この間Creators Updateがあったばかりなのに、もうFall Creators Update? 次々に出し過ぎでは? という思いもありますが、そうも言っていられません。OSの変化に柔軟に対応していく姿勢こそ重要で、そのためにも情報収集が大事。こういうイベントに参加することも必要だと思いました」と、Windows 10の移行に対する意気込みを話しました。

 最後にTさんが参加者に呼びかけたのは、「Windows Updateってなんですぐに壊れるの?」という問いかけ。アップデート中に意味不明のエラーが表示されて進まなくなる、指示通りに進めたのに、アップデートされない現象がどうして起こるのかと困っていました。

 会場からも、「何が起こるのか予想できないので、アップデートが怖い」という同意の声が挙がりました。中には、「シャットダウンして再起動するのに時間がかかりすぎ、現場からクレームが来る」という意見も。アイティメディアの情シスであるイシノも「HDDモデルのPCはアップデートの際の再起動に30分から1時間かかってしまうことも。そのため、SSDに変えました」とコメントしていました。

 イベント初参加だったにもかかわらず、果敢にライトニングトークに挑戦したTさん。その奮闘ぶりは多くの来場者の心をつかんだに違いありません。

 続いてのライトニングトークのタイトルは「Windows 10へのアップグレード移行を諦めた52の理由」。「え、それここ(MS本社)で話して大丈夫なの?」と司会もビビらせたライトニングトークの内容は後編でご紹介します。お楽しみに!