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緒方カープ前半戦のMVPは岡田&丸

7/13(木) 12:28配信

デイリースポーツ

 球宴前最後の9連戦を5勝3敗1分で乗り切り、2位・阪神に8差を付けて折り返すことになった緒方広島。今季負け越していた“苦手”DeNAに対しても2勝1敗と勝ち越し、貯金も最多タイの「23」にまで膨らんだ。リーグ連覇へ確かな足跡を残した赤ヘル軍団の前半戦を、OBの野球評論家・横山竜士氏が総括した。

 -前半戦総括の前に、この9連戦の戦い方をどう見たか。

 「最初の巨人3連戦でいきなり2試合連続完封負け。この巨人戦と次のヤクルト戦が共に合計13失点と、投手陣が苦しみました。踏ん張った中継ぎ陣とは対照的に、先発の失点の多さが目につきましたね。ジョンソンは最後のDeNA14回戦(12日・マツダ)こそ8回1失点と好投しましたが…。この期間中に2敗した岡田共々、もう少ししっかりしてほしい」

 -巨人・田口、菅野という苦手を打てずに完封負け。DeNAの今永や石田という左腕にも苦しめられた。後半戦に向けて課題もあったように感じたが。

 「確かにそう。苦手投手を作ったらダメだし、そういう投手と対戦した試合では特に先取点が大事。しっかり1点を取りにいく、そして1点を守る、という野球をするべきでしょう。打ったら勝ち、打てなかったら負け、という戦い方ではなくて、打てない時でも何とか工夫して勝ちに結びつけるような試合運びが後半戦は必要かなと思います」

 -若いチームだけに課題も多いが、それでも前半戦は昨年を上回る貯金を作った。精神的支柱だった黒田が抜けた穴を若手投手がカバーした。

 「開幕早々、エースのジョンソンが咽頭炎からの体調不良で戦線離脱。その後、クローザーの中崎も登録抹消の緊急事態になったのですが、岡田や薮田といった若い投手がよくカバーしたと思います。特に僕が評価したいのが岡田。開幕2戦目で4回KOを食らった後、立て直して先発ローテーションを守り続けた。交流戦のあった6月は週の真ん中に配置転換され、長いイニングを投げる役目を負って見事その期待に応えています。最近3試合勝てないものの、前半戦の投手のMVPという高い評価をしてもいいでしょう」

 -打線は今年も健在。チーム打率はリーグトップだし、本塁打数、得点数もダントツ。こと打線に関しては言うことない。

 「WBCに出た菊池の体調が悪く、欠場を余儀なくされた時期を除けばおおむね順調ですね。松山や安部、さらに西川などの成長もあり、全体的にレベルアップしているように思います。そんな打線をけん引しているのが3番の丸。1番・田中、2番・菊池の“タナキク”は昨年より打率は悪いですが、丸がそれをカバーして余りある活躍をしてくれた。今年から4番に座っている鈴木も『丸がいてこそ』という部分もある。打つ方に関しては、間違いなくこの丸がMVPです」

 「黒田の穴をどう埋める?」という開幕前の不安も、ジョンソンのリタイヤという開幕後のアクシデントも乗り越え、盤石の強さを見せつけた前半戦の広島ではあるが、一つ一つの試合を検証すれば冒頭の指摘のように課題も多い。逆転勝ちが多いというのは、裏を返せば先発陣が先に失点する苦しい試合展開が多かったということでもある。「後半戦はクライマックスシリーズ(CS)や日本シリーズのような短期決戦を見据えた戦い方を」と横山氏は言う。初戦必勝、先行逃げ切り-が後半戦の肝。胸突き八丁の夏場を原点回帰で乗り切り、連覇へのゴールに駆け込む。(デイリースポーツ・中村正直)

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