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モスルの医師、名大病院で研修中 故郷救う決意胸に

7/13(木) 16:40配信

朝日新聞デジタル

 過激派組織「イスラム国」(IS)が最大拠点としてきたイラク北部モスル出身の医師2人が、名古屋大学病院で2カ月間の研修に参加している。ISの占領でモスルで暮らせなくなった2人。だが、イラク政府が今月、街を奪還した。2人は故郷に帰り、人々を救おうと心に決めている。

【写真】回診に同行するヤシルさん(左から2人目)とシャイバンさん(同3人目)=名古屋市昭和区の名大病院

 今月末まで研修を受けているのは、シャイバン・アブドゥルサラム・アルムクターさん(34)とヤシル・サドゥーン・アルアジレさん(41)。医療支援を続けるNGO「セイブ・イラクチルドレン・名古屋」(名古屋市)の招きで、小児がんの症例研究や最新の治療技術を学んでいる。

 シャイバンさんは2014年にISが侵攻してきた時、モスルの公立病院に勤めていた。ISの支配で街の治安は悪化。やがて、米軍などの有志連合による空爆が始まった。真夜中の爆撃で、幼い2人の息子はパニック状態になった。

 「もう限界。このままでは家族が危険だ」

 16年1月、「業者」に8千米ドル(約90万円)を払って家族4人で脱出。トラックの積み荷の隙間に隠れ、シリア北部ラッカを経由しトルコを目指した。トラックはISの検問で4度止められた。当時4歳の次男が怖がって声をあげないか、気が気でなかった。

朝日新聞社