ここから本文です

自動運転・ロボ トヨタ、AI強化を加速

7/13(木) 7:55配信

産経新聞

 ■ベンチャーに110億円、投資ファンド設立 心臓部開発、優位性確保へ

 トヨタ自動車やホンダなど国内大手自動車が人工知能(AI)の開発強化に向けた投資戦略を矢継ぎ早に打ち出している。自動運転やロボットなどの成長分野で優位性を保つには、性能を左右するAIの技術基盤を早期に確立することが欠かせないとの判断からだ。(今井裕治)

 トヨタは12日、米国でAIの研究開発などを担う子会社「トヨタ・リサーチ・インスティテュート」(TRI)を通じ、ベンチャー企業に計1億ドル(約113億円)を投資するファンドを設立すると発表した。AI関連などに強い有望なベンチャー企業に投資する。

 トヨタは近年、自動運転やロボットの頭脳になるAIの開発に積極投資。昨年、TRIを設立したのもそのためで、最高経営責任者(CEO)には、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)でロボット研究を統括していたことで知られるギル・プラット氏を招いた。トヨタはTRIを通じ、設立5年で10億ドルを投資する計画を打ち出しており、今回のベンチャー投資も枠組みの一環だ。

 自動運転などの先端技術分野は、ITなどの異業種やベンチャー企業の参入で国際競争が激化。トヨタの豊田章男社長は、6月の株主総会で現状に強い危機感を示した上で、競争力強化に向け「M&A(企業の合併・買収)も含めてあらゆる選択肢を検討する」と表明した。まずはAIなどに技術を持つベンチャー企業への出資で方針を具体化させる。

 「AIが競争を勝ち抜くカギ」として対応を加速するのはホンダも同じ。4月にはAIの開発を担う組織を新設し開発基盤を拡充。外部の知見を取り込むための連携も活発化しており、すでに京都大と米ボストン大と共同研究に着手した。

 AIの分野は、先行する米グーグルや米マイクロソフトが強みを持つが、IT大手に自動運転の心臓部まで握られれば、自動車メーカーは車両組み立てを行うだけの下請けになりかねない。そうならないためにも、自動車各社のAI強化の投資はますます膨らむ方向だ。

最終更新:7/13(木) 8:19
産経新聞