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<米大統領選>トランプ票調査44州拒否「不正」証明できず

7/13(木) 21:58配信

毎日新聞

 【ワシントン山本太一】米メディアによると、昨年の米大統領選で不正があったかどうかを調べるトランプ大統領の諮問委員会が全米50州政府と首都ワシントンDCに投票者に関する情報提供を要請したところ、44州とDCが全面協力をしない方針であることが分かった。大統領選を巡るロシアとの癒着疑惑に揺れるトランプ政権だが、調査に対する自治体の非協力的な姿勢は、当選の「正当性」を主張したいトランプ氏にとって新たな痛手といえそうだ。

 ペンス副大統領を委員長とする委員会は今年5月、トランプ氏の指示で大統領選と連邦議会選で不正を調べ、改善策を提言するために設置された。

 大統領選で選挙人の過半数を獲得して当選したトランプ氏だが、総得票数では民主党候補のクリントン元国務長官に約300万票の差をつけられた。この結果について、トランプ氏は「数百万人が不正投票した」と主張。委員会の調査で不正投票が裏付けられれば、「正当に選ばれた米大統領」と改めて主張できるという狙いがあったとみられる。

 委員会は6月下旬、選挙人名簿登録者の氏名や住所、生年月日、2006年以降の選挙での投票先、個人に割り振られた社会保障番号の下4桁などの個人情報の提供を求める文書を各州に送付した。

 だが、米CNNによると、「幅広い不正があったとする委員会設置の理由自体が虚偽」(南部バージニア州)、「要請のあった情報の開示は州法で禁じられている」(西部オレゴン州)などの反発があった。44州とDCは求められたすべての項目で情報を提供せず、残る6州は対応を検討したり、取材に応じなかったりしたなどとしている。

 市民の間でも反対の動きが広がった。住民のプライバシー擁護を目指すNPO「電子プライバシー情報センター」が今月上旬、情報収集の停止を求めて、ワシントン連邦地裁に政権を訴えるなど、複数の団体が訴訟を起こした。

 各州が委員会の要請に懸念を示し始めた後の今月1日、トランプ氏は「彼らは何かを隠そうとしているのか」とツイートし、不満をあらわにしていた。

 ◇ことば「米大統領選」

 州ごとに投票が行われ、勝利した候補がその州に割り当てられた選挙人を総取りする。選挙人総数(538人)の過半数を獲得すれば当選で、全米での総得票数の勝敗とは異なる場合がある。2000年大統領選でも、共和党のブッシュ候補が民主党のゴア候補より総得票数は少なかったが、過半数の選挙人を獲得し、当選した。

最終更新:7/13(木) 22:02
毎日新聞