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50年間、押し入れで眠っていたフィルムカメラを復活させてみたら…

7/15(土) 11:02配信

スポーツ報知

 写真が趣味だった父のカメラが押し入れの奥から出てきた。OLYMPUS―PEN―EEDというカメラでハーフサイズ、36枚撮りフィルムで72枚撮影できるカメラだった。

 電池で自動露出、ピントは手動、レンズのヘリコイドを回すと1.2メートルと5メートルでカッチと手応えがある。レンズには若干のカビもあったが、電池を入れるとシャッターはちゃんと切れ、内部をのぞくと絞りも動いていた。

 50年前に発売されたカメラだ。カタログによると430グラムで、ずっしりと重い金属の塊。被写体の明るさによってシャッターの感触がやや違う感じがした。

 1960年代、「2万円くらいだったかな」と話す父の給料は当時1万7千円ほど。当時、住んでいた大阪で買ったカメラを持って京都や奈良に出かけたという。

 私がフィルムを使うのは十数年ぶり、オートフォーカス主流の今、ピントを手で合わすのは20年ほどぶり。撮影後、画像をすぐに確認できない。念のためにと数枚ずつシャッターを切るとフィルムはすぐになくなってしまった。

 2000年前後までスポーツ新聞のカメラマンはプロ野球の試合の取材で一試合に10本以上のフィルムを消費していた。

 球場で撮影したフィルムを会社にバイクで送り、会社で現像、プリントしてスポーツ報知の紙面に掲載していた。シドニー五輪を境にデジタルカメラに移行し、会社からはフィルムや現像設備がなくなった。

 富士フイルムのコーポレートコミュニケーション部の角皆枝里さんに聞いた。「最近、レンズ付きフィルム『写ルンです』やインスタントカメラの『チェキ』が人気です。フィルムのカメラがおしゃれなアイテムと若い方に受け入れられています」という。アイドルグループのイベントではサインをしてファンへのプレゼントに。結婚式でも撮影しすぐにプリントされたインスタント写真を出席者に渡せる。デジタル全盛の中、そんな魅力もあるという。

 スカイツリーを撮影してみた。太陽の光と噴水を入れて撮ってみたが、きちんと写っていた。宇宙船の様な品川駅のコンコース。50年前はまだ機関車が走っていたかもしれない。

 最新鋭のカメラの広告が駅にあった。オリンパス・ペンは21世紀のカメラを見てどう思ったか聞いてみたい。(記者コラム・越川 亘)

最終更新:7/15(土) 12:33
スポーツ報知