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73歳・桂文枝が富士山頂で奉納落語…04年は断念、気力で10時間登った

7/14(金) 6:04配信

スポーツ報知

 落語家の桂文枝(73)が13日、十数年来の夢だった富士山(3776メートル)登頂を成し遂げ、山頂の浅間神社奥宮で創作落語を奉納した。昨年12月に入門50周年を迎え、あらためて「日本一の落語家になる」との願いを込めて企画。雨が降る悪天候の中、血中酸素濃度が低下し、一時はリタイアの危機に陥ったが、10時間かけて登り切った。

 文枝の表情が曇った。富士山南側の富士宮ルート(静岡県富士宮市)の8合目。体調をチェックしたところ、血中酸素濃度が大幅に低下していることが判明した。健常者は90%台の数値が60%台にまで落ち込んでいた。同行するコーディネーターから「これ以上、数値が下がると自力で下山できない。救助要請しなくてはならなくなる」と告げられた。

 だが、文枝は続行を希望した。協議の結果、9・5合目まで行って様子を見る、として登山を再開した。9・5合目の小屋で、深呼吸を繰り返すなどして、血中酸素濃度が90%台に回復。初登頂にかける73歳の気力が、道を切り開いた。

 2004年8月にもプライベートで富士登山に挑戦したものの、8合目を過ぎたあたりで高山病を発症してリタイアした。プールトレなどを積んで臨んだ今回は、激しい雨のために5合目出発が25分遅れる不安なスタート。弟子の桂三四郎(35)、天津・木村(40)らを伴って雨模様の山道を歩き続けた。

 「こんなにきついとは思わなかった」。試練を乗り越え、自力で山頂へたどり着いた文枝は涙ぐんだ。山頂は、雲がかかっていた。「駿河湾や東京の街が見えるものだと思っていたのに、何も見えへん。ホンマに登ったんかな」とボヤいたが、感無量の表情を浮かべた。

 落語家生活50年の感謝の思いを胸に、奥宮で、自身275作目の創作ネタ「富士山初登頂」をネタおろし。上方落語協会の会長として「上方落語にこの身をささげる自信がつきました」と決意を新たにした。

最終更新:7/14(金) 6:04
スポーツ報知