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広井王子氏、一撃必殺アクションで新しい地平を拓く 『コードネームミラージュ』

7/13(木) 17:00配信

オリコン

 さまざまな犯罪捜査ドラマが作られる中で、テレビ東京ほかで4月から放送されている『コードネームミラージュ』(毎週金曜 深1:23)。警察内の特殊部隊「K13」とそのトップエージェント・森山真一/ミラージュ(桐山漣)が、犯罪浄化の任務を遂行していくドラマに、近接格闘術とガンアクションをふんだんに盛り込んだ“瞬殺”のアクションシーンが新鮮かつ痛快と、視聴者にアピールしている。

【動画】ミラージュの超絶アクション映像

 同ドラマは、『サクラ大戦シリーズ』や『魔神英雄伝ワタルシリーズ』などを手掛けたマルチクリエイターの広井王子氏が原作から手掛ける完全オリジナル作品。ミラージュが乗る超高性能AI(人工知能)車両「ロビン」(CV:朴ロ美)や、そのロビンを整備する自動車整備工場の経営者・鐘ヶ淵(萩原聖人)が作るガジェット、監視カメラの映像から個人情報まで、ネットでつながっているものは何でもハッキングできる天才ハッカーの木暮美佳子(佐野ひなこ)ら、2、3歩進んでいるような設定で妙にリアリティを感じさせるのは、広井氏の得意とするところなのかもしれない。その広井氏にインタビューを敢行した。

――第1話からヘッドショットを撃ちまくるミラージュに度肝を抜かれました。

【広井】テレビ東京の深夜枠というのと、プロデューサーが二宮清隆さん(東北新社)だったからできたといっても過言ではないですね。第1話からヘッドショットを見せないと、いままでの刑事ドラマと一緒になってしまう。なぜならヘッドショットするべき状況だったからです。でなければ反撃を受けてしまう。ミラージュはプロですから。基本的にはヘッドショット。できない時には足を撃って倒したところ、頭を撃つ。無駄な動きはゼロにしたかった。それが実現できてうれしいです。

―― 一つひとつのパーツはリアルに作っているということですね。

【広井】実は、そこがすごく問題で。ドラマ作りの観点からすると、アクションが足りないってことになる。日本の警察ドラマのアクションシーンは、アクションを見せるためのアクションシーンなので、刑事がチンピラ相手になんでそんなに苦戦するの?というくらい苦戦するでしょう。そういうのが好きな人もいらっしゃると思いますが、元SPの友人によれば、本当に一撃らしいですよ。どんな状況でも一撃で倒せるように訓練している。でなければ要人を守れない。そのあたりのアクションは結構リアルにやっています。今までの刑事ドラマにはなかった要素ではないでしょうか。サイバーセキュリティ対策の専門家や警察OBに協力していただいて、ディテールもしっかり作られています。

――法の目を逃れて悪事を働いている者たちを秘密裏に始末していく作品は、日本だと時代劇の『必殺仕置人』、ヒットマン、殺し屋が活躍する漫画の『ゴルゴ13』や『シティーハンター』などが、あったりしますが…。

【広井】二宮プロデューサーの最初のリクエストは「忍者もので何か作れないか」というものでした。「現代の忍者もの」を作ろうとすると、日本が舞台だとやりにくいんですよね。日本には銃がないし、米国のCIAや英国にはMI6(SIS)のような対外諜報機関もないので、スパイというものも基本的には機能していない。そこで、警察内に架空の特殊部隊を作ることにしました。

 日本の警察って、世界からみるとかなり特殊なんです。日本の警察官はそう簡単に銃を撃つことができないですし、そんな日本の警察の中に、「K13」のような組織があったらどうなるか、というのがドラマになると思いました。日本のオリジナル。日本でしか描けないドラマになるな、と。

――犯罪を計画段階から処罰できる「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織的犯罪処罰法が成立したこともあって、まんざら絵空事とも思えなくなってきました。

【広井】原作を書き始めた頃は、まだそうでもなかったのですが。あぶない空気感をうまく捉えることができたかなと思います。

――桐山さんが演じるミラージュ、ミラージュを演じる桐山さん、かっこいいですよね。

【広井】銃を撃つ人間はべらべらしゃべらないし、極悪人の言い訳なんて聞く耳を持たない。『キングスマン』(2014年公開の英国のスパイ映画)のように高級スーツに眼鏡でいこうというのはもともと考えていたことなんですが、桐山さんに演じていただくことで、甘いマスクの暗殺者という切ない感じが出て、ちょっといままでになかったキャラクターになりました。

――キャラクターや世界観設定、30分×2クール分のプロット作成を手掛けられた感想は?

【広井】最初から30分枠というのは決まっていたので、その尺で面白いドラマを考えていったのですが、アクションシーンに重点を置いて、ちょうどいい感じに謎や伏線を描くことができていると思います。1時間枠だったらこういうドラマは作れなかったと思います。

 過去に携わった実写作品ではプロットを提供するだけだったですが、今回は8ヶ月間くらいシナリオ会議にも参加して、大変でしたが楽しかったですね。中学生の頃から8ミリカメラを持って自主映画を作りはじめ、どこかで捨ててしまっていた夢を二宮プロデューサーがかなえてくれました(笑)。

 ゲームやアニメとの一番の違いは、役者さんが演じるからこそできる心情表現ですね。役者さんはせりふのない「…」の表現ができるから面白い。特にミラージュはせりふがほぼなくて「…」ばかりですし。要潤さん、石丸謙二郎さん、萩原聖人さん、そして武田真治さんといったすばらしい役者さんたちが演じてくれることで、それぞれのキャラクターも豊かになっていきました。ゲームではできない、テレビだからできる、そんな発見もたくさんありました。

――今後の見どころは?

【広井】「牙狼」シリーズが見せるCGだとすれば、『コードネームミラージュ』は見せないCGが売りでもあります。ドブネズミがハッキングしているコンピュータの画面はすべてCGのハメコミ合成ですし、ほかにもあらゆるところで言われなければ気づかないCGが使われています。見えないところが見どころ。

 それとやはりアクションシーンは毎回楽しみにしてほしいですね。銃だけで殺していくわけではなく、身の回りのもの全てを利用して至近距離で瞬殺する姿は相当かっこいいです。今後、ますます手強い、ユニークな敵が出てきて、ミラージュが苦戦することもあるので、そういうバトルも見どころになっていくと思います。

■公式サイト
http://code-mirage.jp/

最終更新:7/13(木) 17:00
オリコン