ここから本文です

インスタで書道家の夢かなえる

7/13(木) 8:55配信

福井新聞ONLINE

 写真・動画の共有アプリ「インスタグラム」に書作品を公開している福井県大野市出身の男性が“インスタ書家”として人気を呼んでいる。フォロワー数は1万5千人を超え、動画の再生回数も最高21万回を上回る。全国各地や海外から「子どもの命名書を書いてほしい」「書道を教えて」などと依頼を受けるほどの人気ぶりだ。

⇒【動画】インスタ書家の動画を見る

 男性は、大野市篠座の篠座神社権禰宜(ごんねぎ)、猪島俊希さん(33)。普段は東京で暮らしアパレル会社に勤める傍ら、ユーザー名「Shunpu(シュンプー)」を名乗り活動している。インスタグラムの更新は、ほぼ2日に1作品。スマートフォンで動画を撮影しながら約1時間書き続け、自身が納得した作品をネット上に“出品”する。

 「書作品をアップするつもりは全くなかった」と猪島さん。アプリを使い始めた当初はファッションや飲食店の写真を更新していた。2015年、何げなく百人一首の歌をしたため公開。「想像以上に反響が大きくてびっくり。自分の字が好きと言ってくれる人もいた」。公開写真のメインは書作品に変わり、これまでに、筆文字やペン字、筆ペン字など500点以上を公開した。

 筆の運び方を分かりやすくと配信を増やした動画は、特にタブレット端末に書く“電子書道”が人気で、再生回数が約21万8千回となった動画もある。

 閲覧者は日本や米国、ブラジル、台湾など世界各地に広がり、命名書や紙に書いた作品を送ってほしいとの依頼が海外からも舞い込む。

 書道を習い始めたのは9歳の時。テレビから聞こえるナレーションを無意識に書くほど書道が好きで「全てが無になる時間。書くことだけに集中できて心が落ち着く」と言う。

 思いがけず、書道家と服飾業という二つの夢をかなえた猪島さんは「趣味の自己満足がSNSで広がった。遠い場所にいる『書道好き』とのつながりが何より楽しい」と、黒ひげから歯をのぞかせた。

福井新聞社