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冷蔵庫の売れ筋が“大容量”に。核家族化が進んでいるのになぜ?

7/13(木) 9:51配信

ニュースイッチ

家電各社、まとめ買いに照準

  冷蔵庫が大容量化している。家電メーカー各社は10年前の平均水準と比べて容量を100リットル以上増やし、500リットルや600リットルの製品を相次いで投入している。背景には、共働き所帯の増加に伴い、週末にまとめ買いを行う家庭が増えたことがある。10年前の製品と比べ、冷蔵庫の容量や機能はどう変わったのか検証した。

 消費者のライフスタイルの変化に伴い、冷蔵庫に求められる機能や技術も様変わりしている。

 特に、近年のトレンドは「大容量タイプ」だ。10年前までは400リットルが最大だったが、現在は500リットルや600リットル以上の製品が投入され、販売も好調に伸びている。中でも日立アプライアンス(東京都港区)は、業界最大クラスとなる容量735リットルの冷蔵庫を展開している。

 また大容量化に伴い、さまざまな機能が付帯するようになった。庫内の温度保持機能や、食品の形態・使用状況に合わせて棚の位置を変更できる機能など幅広いニーズに対応している。

 大容量タイプは消費電力の高さが懸念されるが、10年前と比べて消費電力を平均で40%以上抑制。節電意識の高い消費者でも大容量タイプを購入できる水準まで省エネ機能を高めた。

 家電各社が大容量の冷蔵庫市場を開拓したことで、消費者の購買意欲も少しずつ高まっている。

 日本電機工業会(JEMA)がまとめた冷蔵庫の2017年度国内出荷金額によると、前年度比1・2%増の約4305億円と3年連続でプラスとなる見通し。日本の人口が減少する中で増え続けており、大容量タイプも堅調に売れているという。

共働き所帯増加

 この10年で核家族の所帯や一人所帯が増え少人数の家庭が増加している。日本の世帯構成を踏まえると、大容量タイプの冷蔵庫が必ずしも必要とは思えないが、なぜここまで大容量化が進んだのか。JEMAの家電部は「共働き所帯の増加に伴い、週末にまとめ買いをする家庭が多くなり大容量タイプが好まれている」と分析する。

 また各社のアンケートでは「鍋をまるごと冷やす」や「虫がわかないように冷蔵庫にコメを入れている」といった声もある。調理の一環として大きな調理器具を収納したり、食材の保管スペースとして利用したりする事例が増えており世帯構成にとらわれない使い方が広がっている。

 こうした利用が増える理由としては、各社の冷蔵庫の保管性能が向上したことが挙げられる。三菱電機の冷蔵庫は、約80度Cに熱した食品もそのまま冷凍できる。シャープの冷蔵庫は、放出したプラズマクラスターイオンが庫内に浮遊する菌の細胞表面を分解し除菌できる。

 各社の製品を10年前と比べると、高湿度の維持や急冷など多様な庫内環境を実現したほか、鮮度面では栄養素の維持やエチレンガスの減少なども可能となった。

 多くの物を長時間保管できる大容量タイプの存在感が高まっており、引き続き国内の冷蔵庫市場を喚起する可能性が高そうだ。

日刊工業新聞第一産業部・渡辺光太

最終更新:7/13(木) 10:02
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