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米裁判所の命令に意外と冷静な東芝!?「常識的な判断が下った」

7/13(木) 11:30配信

ニュースイッチ

情報遮断の解除命令、範囲は相当狭い

 東芝の半導体メモリー事業売却をめぐる東芝と米ウエスタンデジタル(WD)の係争で、米カリフォルニア州上級裁判所は11日(現地時間)、東芝がWDによる情報アクセスを遮断している行為の一部について仮停止命令を下した。東芝の主張も認めた。WDは同上級裁に対し、東芝による同事業売却の予備的差し止めも申し立てており、その判断は早ければ14日に下る。

 情報アクセス遮断に関するカリフォルニア州上級裁判所の仮停止命令は、28日に開く審問までの仮処分という位置付け。WDは「我々の主張の正当性を示すもの。決定を歓迎する」とコメント。東芝は控訴する方針だが、「(一部の)情報について(WDの)アクセスを認める必要がないと明確にされたことを歓迎する」との声明を出した。

 WDは、東芝のメモリー事業の協業相手だった米サンディスク(SD)を2016年に買収した。東芝はSDとの情報アクセス権に関する契約を、WDが正式に引き継ぐよう求めたが拒否されたと主張。6月28日、WDが情報を不正に取得しているとし、主に五つの項目で情報アクセスを遮断した。これに対しWDは同上級裁にこの行為の予備的差し止めを申し立てていた。

 仮停止命令では、東芝がメモリー合弁会社のデータベース「エノビア」に対するWDのアクセスを遮断した事項について、一部情報への遮断は解除するよう求めた。また技術者が使うデジタルツールへのアクセス権も回復するよう命令した。

 一方、東芝の四日市工場(三重県四日市市)、大船事業所(横浜市栄区)へのWD社員のアクセス禁止、SDドメインのメールは送受信しないなどの東芝の措置は否定せず、遮断の継続を認めた。

 WDは同上級裁に対し、東芝のメモリー事業売却の予備的差し止めを訴えた。今回の情報遮断の仮停止は、売却差し止めの判断には影響しないという。

 WDは同上級裁のほか、国際商業会議所(ICC)国際仲裁裁判所で、東芝は東京地方裁判所でそれぞれ訴えを起こした。両社の合弁契約では、係争は仲裁裁で解決する決まりだが、仲裁裁の裁定には1―2年かかるため、その前の暫定措置を日米の裁判所に求め、訴訟合戦になっている状況だ。

 東芝のメモリー事業の売却交渉は滞っている。要因のWDとの係争がさらに泥沼化すれば、17年度中の売却計画が頓挫しかねない。

 仮停止命令を受け東芝は、データベース「エノビア」へのWDからのアクセス遮断措置を解除した。ただ元々WDがアクセスできた領域と比べると、解除命令の範囲は相当狭いという。

 訴訟合戦ではハイボールを投げて、お互いに牽制し合うのが当たり前。そうした中、今回の仮停止命令について、東芝関係者は「常識的な判断が下ったと思う」と話した。

最終更新:7/13(木) 11:30
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