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「みんなとの再会が楽しみ」豪雨被災地日田の110人、耐えた1週間 地域結束、復旧へ

7/13(木) 10:58配信

西日本新聞

 九州豪雨から1週間となった12日、大分県日田市では大鶴、小野両地区と市街地を結ぶ道路が復旧し、住民110人が孤立状態から解放された。地区には豪雨による土砂崩れなどで深刻な被害を受けた住民もいるが、孤立解消で「みんなと会える」「生活再建への一歩」と前を見据えた。

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 日田市小野地区の殿町。住民たちは高齢者施設に食料を持ち寄って炊き出しを行い、重機で道路の土砂を取り除くなどして1週間の孤立を乗り越えた。

 仲間約10人で朝晩の食事を用意した足刈八枝子さん(68)は「土砂崩れは怖かったけど、わざと冗談を言い合って気を紛らわした。(別の地区で)避難しているみんなとの再会が楽しみ」と笑顔を見せた。自治会長の権藤正志さん(69)も「みんなが自発的にまとまって動いてくれた」と目を細めた。

 国の重要無形文化財「小鹿田焼」の窯元が並ぶ小野地区の皿山集落では、複数の窯元の作業小屋が流木などで壊れた。坂本工・小鹿田焼協同組合理事長によると、川の流れを動力として原料の陶土を砕く唐臼(からうす)が地区内に約40基あり、うち10基ほどが使えなくなった。周囲を見回った若手陶工の坂本庸一さん(41)は「こんなになるなんて…。しょうがないですもんね。家が助かっただけでいいと思わないと」と声を振り絞った。

 大きな土砂崩れがあり、3人が死傷した小野地区の鈴連町では、民家が木や岩に押しつぶされ、手付かずの状態。避難所から様子を見に戻った伊藤元裕さん(65)宅も全壊状態だった。涙が止まらなかったが、実際の被害を見ることができ、落ち着いた面もあるという。「前を向かないと始まらない」。自分に言い聞かせた。

=2017/07/13付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:7/13(木) 10:58
西日本新聞