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オンナ群像劇は“少年性”がカギ 『セシルのもくろみ』男性Pが明かす“女性”の描き方

7/13(木) 18:45配信

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 今度の“オンナたち”は「スラムダンクの桜木とゴリの関係に似ている」。そう語るのは、13日放送スタートの連続ドラマ『セシルのもくろみ』(フジテレビ系/毎週木曜22時)を手掛ける太田大プロデューサー。これまで『ファースト・クラス』や『名前をなくした女神』といった女性たちのドロドロとした群像劇も手掛け、今作では女性モデル・編集者が活躍する雑誌業界の表と裏を描いていく。女性の世界を男性制作者として、太田氏はどう相対していったのか。話を聞いた。

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 『セシルのもくろみ』は、ファッション誌業界を舞台に、さまざまな立場の女性が幸せを探していく姿を描く群像劇。真木よう子演じる普通の主婦・宮地奈央が、運命のいたずらで読者モデルとなり、一流のモデルとして成功の階段を駆け上がっていく姿を追う。

 原作は30代から50代の主婦層に絶大な人気を誇るファッション誌『STORY』で2008年から2010年にかけて連載された唯川恵の同名小説。太田氏はこの作品を選んだ理由を「『VERY』や『STORY』といった雑誌を見ると、“読者モデル”という現象としては数年前からあるが、稲沢朋子さんや滝沢眞規子さんなどがトップになっているのは最近のこと。知名度、認識度が深い題材と捉えるのであれば、(題材として)実は古くはないのではないかと思った」と説明する。さらに、同小説について「当時は唯川先生が読者に向けて描いたシンデレラストーリーといったイメージが強かったが、現在では実際にそのようなことが起こっていることを考えると、預言書といった位置づけの原作だと感じた。以前にも唯川先生にはお声をかけていたが、もう一度改めてお声をかけさせていただいた」とその経緯を語る。

 また、これまでの作品とは「年齢層が違う」と太田氏。さらに、「『ファースト・クラス』も『名前をなくした女神』も結局ゲーム性のあるドラマだと思う。ロールプレイングゲームのような話で、中高生でも楽しめるように作っていたので、あえて衝突させたり、嫌がらせが起きたり、主人公がはねのけるべき壁が次々現れるように制作していました」と振り返り、「今回はそうではない」と断言。「女性同士の世界のいざこざを描くのだろうなと思いながら観ていただくと、全然違うものに仕上がっていると思う」と明かす。


 本作の主人公・奈央はある程度の謙虚さを持ちつつも、多少ガサツでカラっとした性格。そして、体育会系出身で威勢がよい。太田氏は「そのバディとしてライター・沖田江里役の伊藤歩さんがいます。どちらかというと2人は『スラムダンク』の桜木花道とゴリ(赤木剛憲)の関係に似ているかもしれない、と真木さんが脚本を読んだ印象でそのようにお聞きして、僕自身そう思うようになりました」と少年漫画に例えて語る。

 『ファースト・クラス』と『名前をなくした女神』、そして本作。いずれも週刊少年ジャンプの世界のような、何か共通点が見いだせるような気がするが、「少年性のようなものって、物語に入りやすくなるポイントだったりするのかなと思います。今回もまさに2人で頑張っていくみたいな話もあるのですが、ただ今回は女性スタッフが多いですし、きちんと女性の幸せについても描けたらと思っています」と太田氏。30代を過ぎると女性の人生は一筋縄ではいかない。その群像劇を描こうとすると、敵味方では収まらない。「立場が違っても幸せ比べをしないようにしたいです。例えば、ワーキングマザーと独身の女性が同じ職場にいるといろいろとあると思う。そういうのをドロドロに描きたいわけではなくて、『最終的には分かり合えなくても友達になれなくても、認め合えるくらいになれると楽になるのでは』という提案ですかね。大切にしている幸せが違っていても、道が違っていても、認め合える。探っていけば生産的になれるんじゃないかと思うんです」と太田氏は熱弁をふるう。

 最後に本作の見どころを聞くと、真木演じるキャラクターだという。「日々の家事に疲れたお母さんたちにも『こんな風になれたら面白そう』という目線で観ていただきたい。一つの価値観でくくれないような作品になればと思っています」と意気込みを語った。(取材・文・写真:梶原誠司)

 新ドラマ『セシルのもくろみ』は、フジテレビ系にて7月13日より毎週木曜22時放送。

最終更新:7/13(木) 20:11
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