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「県民侮辱」反発広がる 本間不二越会長発言に

7/13(木) 5:00配信

北日本新聞

■「個人を見て」学生困惑

 本間氏の発言を受け、就職活動を控えた学生や教育関係者は困惑の表情を浮かべた。

 県立大3年の男子学生(富山市)は「県内出身で不二越に就職したい学生が、実際に採用されないとしたらかわいそう」と首をかしげ、同大3年の別の男子学生(南砺市)も「富山はそんな(閉鎖的な)人ばかりじゃない。自分が志望する企業のトップが同じ発言をしたら、その会社には行きたくなくなる」と話した。

 長野県出身で富山大3年の女子学生(富山市)は「県民性といっても、性格は一人一人異なる。しっかりと個人を見てほしい」と求めた。

 卒業生を不二越に送り出してきた県内の学校関係者も困惑している。富山高専の賞雅寛而(たかまさともじ)校長は「自ら起業してチャレンジしている卒業生もおり、富山の若い世代が“閉鎖的”とは思わない。発言が事実だとすれば、戸惑いを感じる」。県立大の石塚勝学長は「発言の真意が分からない。これまで通りの公平な採用が行われると信じたい」と話した。

 県内のある大学の就職支援を担当する職員によると、不二越はこれまでも公募型のインターンシップを受け入れないなど独自の方針を貫いてきたという。「企業として求める人材像があるのだろうが、学生が戸惑うような発言は悲しい。学生には萎縮することなく、志望する企業を受けてほしい」と願った。

 県高校長協会工業部会長を務める富山工業高校の松倉泉校長は、不二越からは既に来春の求人情報も寄せられているとし「就職を希望する生徒がいるかもしれず、生徒や保護者に混乱のないよう、情報収集に努めたい」と話した。


■知事 「信じられない思い」
 石井隆一知事は12日、北日本新聞などの取材に「本当にそんな発言があったのかと、信じられない思いだ。県の経済界にも、地元を中心に歩まれ、全国的に知名度があって実績を出している人は少なくない。そういう事実を認識し、心を一つにしていきたい」と語った。自身は政府有識者会議のメンバーとして、地方大学の活性化や東京一極集中是正に取り組んでいることもあり、「多くの皆さんに、時代が変わりつつあることも理解してほしい」と述べた。


■富山出身社員「残念」
 不二越の40代男性社員は、本社機能を東京に一本化することについて「ほとんどの社員は報道で初めて知り、びっくりしている。取引先からもよく影響について聞かれる」と打ち明け、本間氏の発言については「自分は富山出身であり、残念だ。研究職だけを指すのだろうか」と声を落とした。別の社員は「県外の人を積極的に採用する、という考えを会長が持っているというのは聞いたことがある」と振り返る。ただ、「各地にある拠点を強化するためかと思っていたが、閉鎖的という富山の県民性を含めた上での考えだとは知らなかった」と驚きを隠さない。

 動揺は地元住民にも広がる。関連会社に勤めていたという富山市の無職男性(74)は「県民が閉鎖的だという理由で採用を決めるのはおかしいし、偏見だ。地元を軽く見ている」と語気を強めた。一方、同市の自営業の女性(65)は「会社に新しい風を入れたい、幅広い人材を採りたい、という思いがあるのかもしれない」と一定の理解を示した。

北日本新聞社

最終更新:7/13(木) 15:17
北日本新聞