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森慎二氏「プロなんだから」告別式の雨に甦った教え

7/13(木) 9:55配信

日刊スポーツ

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

 6月28日に多臓器不全のため亡くなった西武森慎二投手コーチの告別式が7月4日、西東京市の斎場で営まれた。1軍の首脳陣、スタッフ、選手全員が参列。早すぎる死を惜しんだ。

【写真】森慎二さん42歳で急逝/西武守護神・追悼写真館

 出棺時、突然雨が降り出した。棺(ひつぎ)を見送って程なくすると、やんだ。涙雨だったのか。ふと、森コーチと交わした会話を思い出した。昨季の投手練習日。話題は雨中での投球についてだった。ゆるんだマウンドへの対処法や心構え…。いろいろと聞いた後、最後に笑って言った。「ドーム(球場)が多いけど、雨の中でも試合はある。お客さんもいる。投げるとなったら余計なことは考えず、気合入れて投げるだけなんだよね、プロなんだから」。

 悲報後、初めての試合となった6月30日オリックス戦。先発した菊池は7回3失点で黒星を喫した。5回までに本塁打2発を食らったが、今季一といえる粘りの投球をみせ、試合をつくった。届けられなかった弔いの白星。翌1日、悔しさを押し殺しながら明かした。「(3点)取られてしまいましたけど…、(勝利を)あきらめられないですから。あれ以上、点を取られるわけにはいかない。(森コーチに)背中を押してもらった面もあったと思います」。

 同じ6月30日、森コーチと現役時代ともにプレーした栗山の表情は、いつにもまして引き締まっていた。同コーチへの思いを聞くと、返ってきた答えはひと言だった。「正直、まだ振り返りたくないです」。

 やまない雨はない、という。しかし森コーチの言う通り、雨の中でも試合はある。チーム全員がそれぞれ、大きな悲しみを抱えて戦う。悲しみが消え去ることはないだろう。「投げるとなったら余計なことは考えず、気合入れて投げるだけなんだよね、プロなんだから」。いかなる時も、1球1球に集中し、気合の入ったプレーをしてほしい。それがプロ-。告別式の雨は、そんな天国からのメッセージに思えた。【西武担当=佐竹実】

最終更新:7/13(木) 18:47
日刊スポーツ