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まるで天使の手!「人間の鎖」が溺れた9人の命救う

7/13(木) 10:08配信

日刊スポーツ

 海水浴客がつないだ「鎖」が一家の命を救った。米南部フロリダ州パナマシティービーチの砂浜で8日、家族9人が沖へ流されて溺れる海難事故が発生。そこへ海岸に居合わせた海水浴客ら約80人が、浅瀬から沖合へと手をつなぎ、約100メートルの「人間の鎖」を作って救助した。地元紙「パナマシティー・ニュースヘラルド」電子版が11日までに伝えた。救助された母親は「まるで天使のような人たちだった」と感謝しているという。

【図】現場のフロリダ州にあるパナマシティービーチ

 週末のバカンスを楽しむ海水浴客でにぎわうフロリダのビーチに、突然「ヘルプ!」の悲鳴が響いた。地元メディアの報道によると、8日午後、遊泳中だった10歳前後の子供2人が沖合から戻れなくなった。泣き叫んでいるのを母親のロベルタ・アーシュリーさんが見つけ、救助のため夫、祖母ら家族が次々と海に入っていった。

 だが岸から沖へと向かう「離岸流」のため、助けに入った7人も全員が流された。離岸流は、五輪の水泳選手でも岸に戻るのが難しいとされるほどの強い潮の流れ。ロベルタさんらになすすべはなかった。

 海岸では、騒ぎに気付いた海水浴客らが集まってきた。警察官も到着し、1度は海に飛び込んだが、強烈な流れに阻まれて引き返したという。このままでは本当に溺れてしまう…。

 最初は、数人が手をつないだ。これに次々に人が加わっていった。最後は約80人が、安全な浅瀬から沖へとつながった。その長さ約100メートル。沖側の人は押し寄せる波に顔までつかりながらも手は離さず、9人全員を救出した。現場にいた女性は、CNNなどの取材に「どんどん人と人がつながっていた。(救出が成功すると)みんなから歓声が上がったわ」と話した。

 「人間の鎖」で助け出されたロベルタさんは「彼らがいなかったら、私たちはここにいなかった。みんな天使のような人たちだった」と感謝した。ただ高齢の祖母は心臓発作を起こし、入院したという。

 海上保安庁の担当者によると「離岸流は日本でも海水浴シーズンによくあるが、多くの人が手をつないで入るのは危険」という。「強い流れに巻き込まれた場合は、慌てて岸に戻ろうとするのではなく、まず砂浜と平行に泳いでほしい。離岸流の幅は約10メートルなので、この流れから外れれば戻れます」と話していた。

最終更新:7/13(木) 11:06
日刊スポーツ