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LINE、育つか投資の果実 上場から1年、株価は初値を2割下回る

7/15(土) 8:15配信

SankeiBiz

 無料対話アプリのLINE(ライン)が東京証券取引所に上場して、15日で1年がたつ。成長期待は高いが足元の業績は振るわず、株価は、大型案件として注目を集めた上場日の初値を2割下回る。利益を圧迫している先行投資が実を結ぶかが今後の焦点で、14日に予約販売を始めた人工知能(AI)スピーカーの成否も鍵を握る。

 LINEは昨年7月、東証1部とニューヨーク証券取引所に上場。東証での初値は、公開価格3300円を大きく上回る4900円と好スタートを切った。ただ、その後は主に4000円を挟んだ値動きで、14日の終値は3875円。株価純資産倍率(PBR)などの投資指標でみると低水準とはいえないが、右肩上がりの上昇とはほど遠い。初値からの下落率は20.9%だ。

 4月26日に発表した2017年1~3月期連結決算は、営業利益が前年同期比24.6%減の40億円。翌日の株価は約10%下落するなど、株式市場に失望感が広がった。利益を圧迫したのは、格安スマートフォン事業や動画配信事業などへの投資。SMBC日興証券の前田栄二シニアアナリストは「LINEは成長への意欲が強く、先行投資のアクセルを緩めていない」と指摘する。投資の成果が決算内容に反映されていくかどうかが、株価動向を決めそうだ。

 予約販売を始めたAIスピーカー「WAVE」の価格は1万円で、今月下旬から発送を始める。当面は先行体験版として、LINEの音楽配信サービスと連携。会話により、その時の気分に合った楽曲を選んでくれるという。同社は、AIを「スマホの次の時代の中核サービス」(出沢剛社長)と位置づけている。日本での強固な顧客基盤を生かし、グーグルやアマゾンなどのITの巨人との販売競争を優位に運べるかが注目される。投資家に成長に向けた戦略を“既読”させられるか、経営陣の手腕が問われる。(高橋寛次)

最終更新:7/15(土) 8:15
SankeiBiz