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あなたの給料は本当に妥当か

7/14(金) 7:10配信

ITmedia ビジネスオンライン

 90年代の大ヒットテレビドラマ『家なき子』で女優の安達祐実さんが「同情するならカネをくれ!」と叫んでから20年以上が経った。今こそかみ締めたい言葉だ。お金は大事なのである。

【あなたはもっと稼げる人間なのかもしれない?】

 よく「世の中、お金じゃない」と言う人がいる。この手の言葉はカッコよく聞こえるし、何の疑問も持たずに納得する人も多いだろう。ただ、申し訳ないが、私は違うと思う。「年収1000万円くらい稼いでみてから言わないと説得力ないんじゃないの?」と言いたくなる。

 「世の中、お金じゃない」と言う人は、何を根拠に言っているのだろう。よく出てくる根拠は「心の豊かさ」や「やりたいことをやっていればOK」などの話である。ただ、その心の豊かさなるものをどうやって測定するのだろうか。心の豊かさなるものが、どうやって成立しているかについて理解していなければ、何かのバランスが崩れた瞬間、悩むことになる。

 やりたいことをやっていれば幸せという考えも分からなくはないが、実はその言葉によって給料に対する不満を覆い隠している可能性があることを自覚するべきだ。ちょっと意地悪な質問になるが、その人はやりたいことができなくなった瞬間、どうするのだろうか。

●給料の相場を知るべし

 自分は労働の対価として見合うお金をもらっているかどうかについては、いつも意識するべきだ。もちろん、年功序列の賃金に代表されるように、その対価がすぐにはもらえない場合もあるのだが。

 「もっともらいたい」という衝動は、成長への原動力にもなる。「諦めたらそこで試合終了」なのだ。「いや、だから、そんなにお金必要ねえし」「どうせ給料、上がらないだろ」と言う人もいるだろう。気持ちは分かる。ただ、無知は罪だ。自社内の、業界内の、さらには世の中の給料の相場を知っておくべきだ。あなたはもっと稼げる人間なのかもしれないのだから。

 まずは、自社の人事制度、給与テーブルの確認だ。自社のイントラネットなどに情報が転がっていることだろう。上司、先輩に飲みの席で聞いてみるのもアリだ。同期同士で、オープンに話し合っている人もいるだろう。

 気になる企業で働く人がどのくらいもらっているかも、だいたい確認することができる。例えば、ビジネス誌は年に1~2回、給料特集を組む。この手の特集は業界、企業別の相場が分かるので、学歴特集同様、注目が集まる。皆さんも読んだことがあるだろう。

 この他、東洋経済新報社の『会社四季報』なども参考になる。給与に関するデータを閲覧することができる。求人広告を閲覧するのも、良いだろう。モデル賃金などが表記されている。社外の友人や知人に聞いてみるのも有効である。

 このようにして給料の相場を知ることは有益だ。場合によっては、もっと稼げる環境に移るきっかけになるかもしれない。「世の中お金じゃない」と悟る(ごまかす)前に、まず現実を知った上で、何を大切に生きるのかを自分に問い直すべきだ。損をしないために。

●「稼ぐ」ことについては長い目で見ることも必要

 最後に、私のお金哲学を書きつづる。私は、お金がまあまあ好きだ。「好きなことができて、自由であればお金はいらない」なんてことは考えない。なんせ、消費が大好きだからだ。クルマやファッション、ガジェット、さらにはグルメや趣味にもお金をかけている。

 もっとも、あらゆる手段を使ってガツガツ稼ぐ、私生活を犠牲にしてまで稼ごうとは思わない。自分の時間は大事にしたいのだ。

 目安にしているのは、新卒で入った会社の同期よりは稼ぐこと。自由を手にいれて、好きなことをして、奴らより稼いでいることを、1つの目安にしている。とは言っても、役員になった人、起業した人には勝てないのだが。

 「稼ぐ」ことについては長い目で見ることも必要だ。ぶっちゃけ私は、最初の会社では29歳で年収1000万円以上も稼いでいた。しかしその後は、転職するたびに150~200万円ずつ減っていった(最後の会社は副業を認めてくれていたので、最初の会社員時代の年収を超えたが)。

 実は、年収が下がったときの経験が、その後のビジネスにつながっている。そのお陰で独立した後は自分でも“引くくらい”に稼いでいた。ただ、身も心もボロボロになるくらいに働いたので、いまは反省してマイペースでやっている。

 繰り返し申し上げるが、「世の中カネじゃない」という人は、諸々理解してから発言するべきだ。そして、目先の給料だけでなく、「稼ぐ」ことについては長い目でみなくてはいけない。


(常見陽平)