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企業導入の決め手! VAIOならではの導入支援サービスとは?

7/14(金) 9:00配信

アスキー

法人へのPC導入の要ともなるキッティング作業について取材。VAIOならではの取り組みも。

 安曇野にあるVAIOの里へ訪れての取材、最後はいまVAIOで最も力を入れている導入支援サービス、いわゆるキッティング工程を見学した。品質管理、VAIO Z製造工程、安曇野FINISHと見てきたが、キッティング工程も、同じ建屋の1階アッセンブリ工程の近くにある。そこには、ひとつ屋根の下ですべて作業を完結するVAIOならではのメリットがあった。
 
安曇野FINISHと同等レベルでキッティング作業
 取材したときは、残念ながら実際にキッティング作業している風景は見られなかったが、技術&製造部 ソフト技術課の西澤さんと奥原さんに説明していただいた。
 
 まず、キッティング作業の開始は、梱包されたPCを開封するところから始まる。これは、先ほど安曇野FINISHで一度梱包したものを、もう一度ここで開封することになる。なぜそのようなことをするのか。「キッティング作業は、お客さまに一度納品したあと変更依頼がかかって、こちらへ戻してから作業するものがあるんです。このためすべて開封という作業から投入するようにしています」(西澤さん)。
 
 開封作業後は、安曇野FINISH同様の外観チェックから入る。「一度お客さまへ納品したものがここへきた場合、外観上の不具合が発見された場合は、お客さまへ確認しつつ、修理を実施するという対応になります。当然我々の建屋の中には修理するフロア(2階)もありますので、そちらと連携して修理してもらいます」(奥原さん)。このあたりは、これまで見てきた工程と同様、同じ建屋内にすべてあるからこそできるメリットだ。
 
 外観検査のあとは、クローニングと言われる工程で、お客さま専用のOSイメージを流し込んでいく。安曇野FINISHの工程でもOSのインストールを実行しているが、ここでは、お客さまの指定で預かったソフトや設定が入っているOSを、もう一度入れ直している。
 
 各製品の管理は、これまでと同様バーコードを利用しており、バーコードを読み込むことで必要なデータをサーバーからダウンロードしてインストールされる。「うちの強みは、製造ラインと同じ考え方を徹底していることです。受け入れ工程から最終工程まで、トレーサビリティデータがデータベースに記録されています。たとえ作業ミスが発生しても、最終工程でチェックをし、どこが悪かったのかがわかるようになっています」(奥原さん)。
 
大量導入時の負担を軽減、シリアル番号などの刻印も
 クローニングのあとは、コンピューター名だったり、IPアドレスだったりといったお客さまの個別設定を行なう。もちろん、お客様が作業を依頼した場合で、企業のIT担当者が納品されてから設定しても構わないが、台数が多いとかなり大変な作業になる。そういった負担を軽減するのがキッティングであり、できるか否かがPC導入にも影響するところだ。
 
 VAIOでは、そのあとラベルを貼るサービスも行なっていた。企業ではPC管理用によくラベルライターで番号を印字して貼り付けているが、それをここでキレイに貼ってくれるのだ。「ラベルはお客さまからの支給もありますが、弊社でラベル作成することをオススメしています。こちらで印刷すると、コンピューター名のところを2次元のバーコードで印刷することで、お客さま側での管理にバーコードを使うことができます。ラベルを貼る位置は、お客さまが基本指定しますが、製造業ですので、貼りやすいところがわかっており、お客さまと相談して決めています」(奥原さん)。
 
 貼り付け作業は手作業だが、安曇野FINISHの工程と同様、レーザー光による貼り付け位置が照射され、きちんと貼れるようになっている。このほか、例えばレーザー加工を用いて、お客さまから頂いたシリアル番号や管理番号を刻印したり、企業のロゴを刻印したりするサービスも実施しているそうだ。「ほかにも、保護フィルムの貼り付けも行なっています。当社指定のフィルム以外でも対応可能です」(奥原さん)。
 
 通常の製品にはないものも一緒に同梱することもできる。例えばマウス。支給される場合もあれば、指定されたものも用意することもあるという。とにかくお客さま要望には極力応える姿勢だ。
 
 BIOSの設定も実施している。パソコンを起動して、BIOS画面に入り、USBにケーブル接続すると、自動的にBIOSの設定を行なう。例えばパスワードを掛けたり、カメラを使えなくしたりするなど、お客さまの要望に合わせるが、個人ごとに設定は変えられない。
 
 すべての作業が終了したら、最終外観チェック。梱包作業をしたら、重量計に載せてACアダプターやマウスの同梱など、入れ忘れていないか確認したうえで、出荷作業へと移る。こうして一通り見学したが、実はキッティング作業する工程をより広い場所へ移動するという。「広くなると同時に、セキュリティをより高める狙いがあります。ID認証と監視カメラでの入退室管理に加え、さらに1段階高いセキュリティを設けた部屋があるのが特徴で、お客さまからお預かりしたソフトやドメイン参加してお客さまのネットワーク環境内でないと登録できない作業を、この個室でやろうとしています」(西澤さん)。
 
 製品を納品したら、できるだけ何もしなくてもいいようにするのがキッティングの考え。VAIOは、法人向けに力を入れるにあたり、キッティング環境を充実させてどんな要望にも応えようと日々頑張っていた。
 
メーカーならではのメリットがあるキッティング
 見学終了後、西澤さんと奥原さんにVAIOが取り組むキッティングについて伺った。
 
―― かなりキッティングに力を入れてますね。
 
西澤さん 導入や買い替え時に、全く何もしていないOSに1つ1つ会社で使うアプリケーションを入れていくとなると、非常に手間じゃないですか。それを1つの状態、マスターPCといいますが、それを展開して同じ状態の製品を作り出す。さらに、同じ状態のものを作った上で、1つ1つ異なる設定を加えていく。これを個別設定と呼びますが、これらを行なうことで、導入したあとIT管理者が1つ1つ作業することなく、従業員へすぐに配布できます。これが一番喜ばれることなので、企業で導入する際の必須要件となっています。
 
 また、メーカーに任せてもらうメリットもありまして、メーカー出荷のOSをベースとしてカスタマイズできるんです。マイクロソフトと提携しており、通常の製品に企業さまが使うアプリを入れた状態のOSイメージを作ることができます。これはメーカーだけに許された権利で、これを使ってお客さま専用の状態を作ることができ、それをリカバリーエリアに仕込めるので、万が一のとき初期化してもアプリや設定が施された導入時の状態に戻るわけです。
 
―― それはうれしいですね。
 
奥原さん リカバリーメディアをアップデートした形でご提供するというメニューもあります。
 
西澤さん メーカーならではという点として、たとえばレーザー刻印ができることもそうですが、万が一作業がうまく行かなかった場合でも、我々は部品を持っているので、交換・修理がすぐにできます。製造のインフラを、導入する企業に特化したカスタマイズに使えるのが弊社の強みだと思っています。
 
―― 実際のニーズとしてどんなことがありましたか?
 
奥原さん シンクライアントの案件はありましたね。最近は増えてきています。
 
西澤さん セキュリティリスクを考えたとき、シンクライアントは基本的に仮想環境上で作業するので、クライアントマシン上ではあまりセキュリティリスクがありません。大手企業さんでの採用が多いですね。シンクライアントの場合はOSを変えます。VAIOではWindows 10 ProとWindows 10 Homeを提供していますが、それとは別の専用OSであるWindows 10 IoT Enterpriseというのがありまして、それを導入したい企業に提供しています。
 
―― それはカタログには記載されていませんよね。
 
西澤さん そうですね。ほかにもセキュリティロック用の穴は13インチモデルには付いていませんが、製造設備も生産ラインと同じものを使って、あとから加工することもできます。お客さまの要望に合わせて、できることは応えていきたいと思っています。
 
―― キッティングまでお願いするVAIOならではのメリットとは?
 
西澤さん キッティングは、メーカーにお願いする場合だったり、自分の社内に大きなIT管理部門があれば、そこで実施してしまう場合もありますし、導入支援をしてくれるインテグレーターさんにお願いするケースもあります。会社で使うためには何かしら専用のアプリケーションが必要で、どこかで必ず作業が発生します。我々に頼んでいただければ、1つの注文で、すべて施した製品をお届けできます。それがメーカーでやるメリットだと思います。
 
奥原さん PCが故障したときも、修理部門が同じ建屋にありますので、キッティングを弊社が行なっていれば、修理して上がってきたものは、出荷前に再キッティングを実施しています。そうなると、修理しても出荷状態に戻せるわけで、これは大変好評ですね。
 
西澤さん お客さま専用のイメージは、通常のセキュリティとは別のサーバーで管理しています。過去に遡って出してこられますし、OSやアプリケーションがアップデートされた場合でも、最新版にするサービスも行なっています。
 
―― スマートフォンのキッティングも同様なんですか?
 
西澤さん 若干異なりまして、いくつかのパターンが有るのですが、アプリケーションを流し込んで、OS全体を差し替えるというのではなく、差分を送り込む感じですね。企業がMDMで管理している場合は、検証機を貸し出して、お客さま側で検証していただいた上で導入していただくようにしています。当然、我々もパートナーと検証しているものはサイト上で公開していますが、お客様の環境でなければわからないこともあるので、確認していただくことが前提です。そのうえで、キッティング作業を行なっています。
 
―― 梱包やマニュアルが不要というお客さまもいると思いますが。
 
西澤さん 梱包が不要なお客さまはいらっしゃいますね。そういった場合は、5台で1つの箱で納めて、通常の出荷状態の箱ではないものにしています。また、保証書やマニュアル類、アクセサリー類も社員に配布するとなくしてしまうため、そういったものを抜いて納品することもあります。その場合は、別梱包で渡す形になります。
 
―― 買い替えのときには使用していた製品を処理したいこともあります。
 
西澤さん 使用済みの製品はPCリサイクル法があるので、捨てるのにもお金がかかります。ですので、パートナー企業と連携してお金のかからない買い取りをご提案しています。企業さんからお預かりしたPCには大事なデータが入っているケースもあるので、きれいに消してから、リユースされます。
 
 法人向けへPCがシフトしていくところから、まずはキッティングが必要だということで始めました。そのあとは、ゆりかごから墓場まで、全部を揃えていきましょうと、いま取り組んでいるところです。
 
―― メーカー自身がそういうところまでサポートするのは珍しいですね。
 
西澤さん 実際私たちもお客さまのもとへ伺っています。何が困っているのか、導入するにあたってどうすればいいのか、パートナーと一緒になってやっています。メーカー直のサービスであるメリットを最大限に活かして、パートナーとともに全員が一丸になって問題解決に取り組んでいます。
 
 お客さまの所へ伺ってお話すると、よく「今までとは違って面白そうなことができそう」と言われるんですよ。今までできなかったことが、1ヵ所でできるんなら、ちょっとお願いしてみようって感じになってくれます。その思いに対して、できる限り頑張って応えていきたいと思っています。
 
奥原さん スピーディーに高品質ということが、お客さまの所へお届けさせていただく上で一番重要なことだと思っております。そういう心構えで、導入支援サービスを成長させていくよう、心がけています。
 
 3回にわたって安曇野工場で行われているVAIO製造の裏側を取材してきたが、とにかく「こんなことまでやっているんだ」「人的エラーを極力排除する仕組みがスゴイ」といった驚きと、全てに対してお客さま重視の姿勢が伝わってきて、VAIOユーザーの筆者としてはさらに好きになりました。企業導入する際の決め手の1つであるキッティングも、後のことを考えると一括して頼んだほうがメリットは高く、ゆりかごから墓場までVAIOに任せれば間違いないと確信。西澤さんとお話していると、無理難題でも全て解決してくれるのでは、という気にすらなった。
 
 
文● 飯島範久 編集●ASCII

最終更新:7/14(金) 12:17
アスキー