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子トラはカメラ好き? スマトラトラの顔が間近に

7/14(金) 10:14配信

朝日新聞デジタル

■360度動画「いきもの目線」

 鋭い目つきで、獲物を狙うかのようにゆっくりと近づいてきた――。

【写真】立ち上がって取っ組み合いをするファントム(右)とパンプ=4月19日、竹谷俊之撮影

 よこはま動物園ズーラシア(横浜市旭区)で人気のスマトラトラだ。昨秋、赤ちゃんが2年ぶりに誕生。半年で体重30キロを超えたファントムくんとパンプくん、母親のデルがいる展示場に4月上旬、360度カメラを設置した。

 最初の撮影は、失敗に終わった。360度撮影用のカメラを木製の台に固定したのだが、子供たちがくわえて振り回し、壊してしまった。

 そうか、子トラたちはカメラ好きか。ならば、と2度目は撮影台を鉄ペグでがっちり固定した。飼育展示係の石和田研二さん(50)は、「子どもは見慣れない物があると興味を示して寄ってくるので、迫力の映像が撮れそうですね」とにんまり。大丈夫だろうか。

 子どもたちはすぐに撮影台に近づいてきた。子どもといっても、生後6カ月。大きさは柴犬の成犬よりもがっしりしている感じ。すっかり猛獣の顔つきをしている。やはり撮影台は、彼らにとっては新しい「おもちゃ」だ。かみついたり、フィルターを爪で引っかいたり、台の上に寝そべったり……。それでも今回は、なんとか最後まで撮影はできた。カメラを回収しに行くと、撮影台は泥まみれで、フィルターは傷だらけになっていた。

 興味を持ってくれた分、ごく近くで撮影できた映像には、飼育担当者でもなかなか見ることができない顔のアップや、迫力あるうなり声が入っていた。

 スマトラトラは、インドネシアのスマトラ島だけに生息。毛並みの色が濃く、頰の毛が長いのが特徴だ。野生の生息数は約400~700頭といわれ、毛皮のための密猟や、森林伐採による生息域の減少が原因という。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで、絶滅危惧種の中でも最上位(CR:近絶滅種)に指定されている。(竹谷俊之)

朝日新聞社