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「週刊少年ジャンプ展」に見る少年ジャンプ飛躍の秘密

7/14(金) 7:16配信

ITmedia ビジネスオンライン

 キン肉マンに孫悟空、ケンシロウ、大空翼……。あなたが憧れた漫画のヒーローは?

 集英社の漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」が2018年に創刊50周年を迎える。それを記念してこれまでの数々の作品とともに同誌の歴史を振り返ることができる展覧会「週刊少年ジャンプ展」が、東京・六本木の森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催される。

【約3万体のキンケシで造った……】

 第1弾は「創刊~1980年代、伝説のはじまり」と題して、7月18日から10月15日まで開催。創刊当時の代表作である「男一匹ガキ大将」(本宮ひろ志)や「ハレンチ学園」(永井豪)をはじめ、「聖闘士星矢」(車田正美)、「北斗の拳」(武論尊・原哲夫)、「シティーハンター」(北条司)、「DRAGON BALL」(鳥山明)など60以上の作品が展示。350点以上の原画や同展オリジナルのシアター映像なども見ることができる。

 少年ジャンプは1968年7月11日に創刊。定価は90円。“新しい漫画新幹線”をキャッチフレーズに、当初は月2回、第2・4木曜日の発売だったが、69年10月から週刊化された。

 先行して59年に創刊した講談社の「週刊少年マガジン」と小学館の「週刊少年サンデー」を猛追する週刊少年ジャンプは、70年に発行部数100万部を突破、73年には週刊少年マガジンと週刊少年サンデーを発行部数で抜いた。その後、78年に210万部、79年には285万部と、週刊少年誌の首位独走状態となった。

 80年代に入ると勢いはさらに増す。「キン肉マン」(ゆでたまご)や「Dr.スランプ」(鳥山明)、北斗の拳、「キャプテン翼」(高橋陽一)、DRAGON BALLなどのヒット作品が次々と生まれ、84年の330万部から翌85年には405万部と急拡大した。そして89年には500万部という大台に乗ったのである(94年の653万部がピーク)。

●人気漫画家が語る週刊少年ジャンプ

 7月13日に開かれたメディア向けイベントでは、この80年代の週刊少年ジャンプを支えた作家である秋本治さん(「こちら葛飾区亀有公園前派出所」)、ゆでたまごの嶋田隆司さんと中井義則さん、そして高橋陽一さんがトークセッションに登場。漫画好きでお笑いタレントのケンドーコバヤシさんとともに思い出話に花を咲かせた。

 週刊少年ジャンプは読者アンケートによる評価が誌面づくりに大きく反映されることで有名。作家にとっては毎週自分の作品がランク付けされるため、「全員がライバルで、ギスギスした世界だった」と嶋田さんは振り返る。あるときキン肉マンが1位から2位にランクダウンしたら、担当編集者にこっぴどく怒られたそうだ。

 一方で、そうした厳しい競争環境が週刊少年ジャンプの飛躍につながった。「ベテラン作家だから優遇されるということはない。新人もベテランも切磋琢磨(せっさたくま)していた」と高橋さんは話す。

 また、他誌と比べて自由度が高く、編集者の人間性も、作家にとって週刊少年ジャンプの魅力だったという。

 「ほかの雑誌だといろいろと手直しが入るところを、週刊少年ジャンプは細かいことは言われず、担当編集者一人の裁量で自由にやらせてくれた。そうした風土が読者の心もつかんだのでは」(秋本さん)

 「徹底した新人起用と、編集者の面倒見の良さが週刊少年ジャンプの強み」(中井さん)

 週刊少年ジャンプ展の料金は、一般・学生が2000円(1800円)、高校生・中学生が1500円(1300円)、4歳~小学生が800円(500円)。4歳未満は無料。価格は税込み、カッコ内は前売り料金。

 続編として、18年3~6月に「VOL.2 1990年代、発行部数653万部の衝撃」を、同年7~9月には「VOL.3 2000年代~、進化する最強雑誌の現在」の開催を予定する。