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恵まれた組み合わせ 早実清宮は“最後の夏”に甲子園なるか

7/14(金) 17:01配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 早実の清宮幸太郎(3年)が第1シードで最後の夏を迎える。高校通算103本塁打。新記録まであと4本で15日の西東京大会初戦となる3回戦、都南平戦に登場する。

 早実は昨秋、今春と東京大会を連覇した。春の日大三との決勝のスコアは18―17。清宮、野村大樹(2年)の3、4番を中心とした打線は破壊力抜群だが、いくら打っても同じように打たれる投手力が課題。これが、清宮にとって春夏連続出場となる3度目の聖地に届くか否かの最大のポイントで、和泉実監督は苦肉の策に打って出た。

 センバツまで正捕手だった雪山幹太(2年)を新エースに指名し、春の関東大会から三塁の野村を捕手に回す大胆コンバート。しかも、清宮と並ぶ主砲の野村をリリーフ投手としてマウンドにも上げるのだ。

 雪山は中学時代、神戸中央リトルシニアでエースだったとはいえ、投げ始めたのは5月28日の沖縄での招待試合、美来工科戦から。急造もいいところである。以降、至学館、九州学院と強豪校相手に好投を続けた。主将の清宮をして「ウチらしくないというか、なかなか締まったゲームができていなかったが、最近は雪山が締まった投球をしてくれる」と言わしめる。たったの1カ月で背番号「1」にスピード昇格した。

 早実野球部OBが言う。

「春の関東大会前まで正捕手だった雪山は、1年生だった昨夏の新チーム結成時に外野から捕手へ。打撃でも右打ちから左打ちへ転向している。攻守で急造ながら強力打線の中で主に3番の清宮につなぐ2番を任されている。直球は130キロ台半ば。スライダー、フォーク、シンカーなどの変化球も投げる。器用で野球センスの塊のような選手」

■楽勝ブロック、ライバルは激戦区

 西東京大会は、こちらもセンバツに出場した日大三との「2強」対決に注目が集まる。高校野球に詳しいスポーツライターの美山和也氏は、大会序盤をこう見る。

「早実はかなり組み合わせに恵まれました。8強まではほぼフリーパス。準々決勝で対戦が予想される第5シードの日本学園戦が最初のヤマでしょう。といっても、昨秋の都大会で早実は10―1で七回コールド勝ち。早実の視界には入っていないでしょう。ただ、日本学園は春にベスト16に食い込んで30年ぶりのシード。先日、練習試合を見ましたが、学校中が盛り上がっています。神宮は早実の応援一色になる。学校の後押しはプラスでしょう」

 準決勝は第4シードの駒大高か。早実はこの駒大高にも春の準々決勝で14―2の五回コールド勝ちを収めている。美山氏が続ける。

「ただ、駒大高の左腕・吉田は春以降、急成長しています。直球は130キロ前後とスピードはないものの、落差の大きいタテのスライダーが武器。清宮は昨秋に日大三の桜井から5三振を食らったように、左腕のスライダーを苦手にしている。ナメてかかると足元をすくわれかねません。他に準決勝で当たる可能性があるのは、ノーシードで好投手の赤星擁する日大鶴ケ丘、昨夏4強のメンバーがほとんど残る創価。ただ、早実にとって気が抜けないのは準決勝から。初戦から強豪校相手の激戦区のブロックに入った日大三と比べればかなり違います。早実は決勝まで『油断』が一番の敵になるでしょう」

 急造エースに清宮早実の命運が託される。この点はどうか。横浜高の元野球部長・小倉清一郎氏がこう言った。

「早実は軸になる投手がいない。1カ月でエースになるのだからセンスは抜群なんでしょう。経験がないだけに1試合ごとに成長を重ねていく可能性はあります。しかし、積み重ねたものが少ないため、2、3点を取られると途端に自信を失います。投手としての練習量が圧倒的に足りず、バテる危険性も高い。もろ刃の剣といえるでしょう」

■140キロ5枚擁するダークホース

 第2シードの日大三は桜井と金成のプロ注目の左腕二枚看板と強力打線がウリ。初戦の3回戦の対戦相手は国学院久我山に決まった。

「昨夏の8強校ですから、いきなり準々決勝みたいなもの。そして、西東京3強の一角、第5シードの東海大菅生が同じブロックに入ったのは苦しい。140キロ級の好投手を5人も擁する東海大菅生は春に日大三と3―4の接戦を演じている。日大三はどこにピークを持っていくのかが難しい。ただ、早実の和泉監督は6月に『日大三とはやりたくない』と話していた。かなり意識しているようです。それと、これは審判から聞いた話ですが、急造投手の球は、際どいところにきてもボールになりやすいと。球筋が汚いからだそうです。これは早実には不利。私は投手力がしっかりしている日大三と東海大菅生の勝者が、早実を倒して甲子園に行くとみています」(美山氏)

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