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<被害給付>親族間犯罪、支援を拡充 別居など条件

7/14(金) 11:30配信

毎日新聞

 ◇警察庁に提言

 犯罪被害者や遺族らを経済的に支援する「犯罪被害給付制度」のあり方を議論してきた警察庁の有識者会議(座長・川出敏裕東大大学院教授)は14日、現行で原則不支給になっている親族間犯罪について、加害者との関係が事実上破綻している場合には基準額の全額を支給することなどを柱とする提言をまとめた。親が殺害されるなどした幼い子供の自立を助けるため、子供が18歳になるまで支援することなども盛り込んだ。警察庁は提言を受け、施行規則などを改め、早ければ来年4月からの運用を目指す。【川上晃弘】

 有識者会議は、2016年4月に政府が閣議決定した「第3次犯罪被害者等基本計画」を受けて設置され、親族間犯罪の給付のあり方▽遺児を持つ若年家庭への給付のあり方--などを今年4月から議論してきた。

 全国の警察が昨年摘発した殺人事件(未遂を含む)の55%が親族間で発生。有識者会議では親族間犯罪での給付のあり方が最大の論点となった。

 提言は「給付金が加害者に環流する恐れがある」として、原則不支給としている現行制度について、「既に関係が破綻している場合もあり、不支給を原則とすることに十分な合理性があるか疑問との指摘がある」と言及。「暴力から逃れるため別居していた」「離婚調停中」「暴力による支配関係があった」--などの場合には、事実上の親族関係が破綻していたと認め、全額支給すべきだと結論付けた。

 特に18歳未満の子供が事件の被害者だったり、父が母を殺害したりして孤立するケースを検討。提言は「児童は社会的に救済する必要性が特に高い」と強調し、親族関係が破綻していなくても特例として全額支給するよう求めた。

 また、有識者会議は「遺児を持つ若年家庭への給付のあり方」も検討した。警察庁の調査を踏まえ、「遺児を抱える被害者は幅広い世代に広がっている」として、被害者の年齢ではなく遺児の年齢に着目。「遺児の自立に向けた支援を手厚くする必要性が高い」と提言し、18歳まで最長10年分の支給としている現行制度を改め、0歳児でも18歳まで支援できる額に増額するよう求めた。

最終更新:7/14(金) 14:56
毎日新聞