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阪神・秋山、初球宴3人斬りだ 苦節8年夢舞台を前に思い語った

7/14(金) 9:01配信

デイリースポーツ

 「マイナビオールスターゲーム・第1戦、全セ-全パ」(14日、ナゴヤドーム)

 阪神・秋山拓巳投手(26)が13日、デイリースポーツのインタビューに応じ、初球宴への思いを語った。今季は前半戦で7勝を挙げて一気にブレーク。苦節8年でつかんだ夢舞台を前に、幼少期の“ある出会い”なども明かした。また、後半戦に向けては「ローテ死守!!」と意気込み、先発陣の柱としてフル回転する覚悟を口にした。

【写真】監督推薦での球宴出場が決まり、ガッツポーズする秋山

 -監督推薦で初めての球宴出場。会見では「僕でいいのか」と口にした。今の思いは。

 「本当に一流選手の集まる場所。ルーキーや若い選手ならあるかなと思いますけど、僕は時間がかかってローテに入った感じです。パッと出てきただけで、選ばれていいのかなと感じています」

 -描いている球宴のイメージとは。

 「やっぱり…球児(藤川)さんとカブレラ(当時西武)の対戦ですかね。球児さんがストレートを宣言した姿は、めちゃくちゃ印象に残っています」

 -改めて野球を始めたきっかけは。

 「もう、それは父さんの強制ですね。父さんが『男の子が生まれたら、野球選手にするのが夢だった』と。だから、強制的に始めた感じです(笑)」

 -父は巨人ファン。

 「僕もそうでした。松井さん、由伸さん、上原さんがいて。でも、憧れた選手…というのはあまりなくて。誰かをマネして、とかも全然なかったですね。ああ、すごいなとかそれぐらいでした」

 -プロ野球を見に行ったことは。

 「幼少期から野球をやっていたので、土日でも見に行く時間はあまりなかったです。でも、初めてプロ野球選手と握手したのは上田さん(佳範、現DeNA1軍外野守備走塁コーチ)でした。まだ落合さんが日本ハムにいて、近鉄-日本ハムが高松でありました。その時に外野フェンスから手を出して、ハイタッチしてもらったんです」

 -プロ野球選手を目指した瞬間か。

 「まだ、なりたいと言わされていたというか…漠然と思っていたくらいでした。本当になりたいと思ったのは、高校2年の春くらいからですね」

 -きっかけは。

 「上の学年の人がいる中でエースとして出させてもらった。その中で負けて悔しい思いをしました。そういうのもあって、もっとうまくなりたいと。そこで初めてプロになりたいと思いました」

 -プロ野球選手になった今、8年目で初めて球宴に出場。会見では「見逃し三振を取りたい」と口にした。

 「正直言えば、ゼロで帰りたいというのが一番です。何事もなく終えたいなというのが一番(笑)。三振も取りたいですけどね。やっぱりせっかく選んでもらえたので、しっかり出せるものは出したい。なるべく3人で終えたいと思います」

 -幼少期に夢見たように、今の子供たちに見せたい姿がある。

 「僕には、そんなにすごい真っすぐがあるわけじゃない。子供には分かりにくいかもしれないですけど(笑)。ストライク先行を心掛けて。こういう投手もいいよ、っていうのを見せたいです」

 -前半戦7勝。振り返って感じることは。

 「前半の方はそれなりに良かったんですけど、あまりいい内容じゃない試合もありました。ギリギリな感じが出てきてしまっている。これを乗り越えないといけないっていう思いが強いです」

 -中盤に入ってきて「球が高くなってきた」と危機感を抱く。

 「気持ちよく終える試合も出さないと。今後、順位争いで大事な試合が増えてくる中で、使いづらいと思われてしまう。もう1ランク以上アップしないといけないです」

 -相手に研究され始めた感じもあるのか。

 「特に左打者にはよく内を多く使うんですが。カットボールなんかがそうですね。あと、カーブに対する反応も、だいぶ振られている感じがします。難しいなと感じます」

 -制球力が魅力だが、香田投手コーチは「ボールでかわす技術を覚えて欲しい」と言う。1ランク上がるために必要な技術になる。

 「香田さんは『ストライクをそろえ過ぎないこと。勝負を急ぎ過ぎないこと』と。本当に口酸っぱく言われているんですけど、やっぱりゲームになると早く終わりたいとか、ストライクが欲しいという心理が出てしまう。ボール球で空振り取れる球ができれば、そういう心理もなくなってくる。後半に向けて大きな課題です。それができれば本当に楽になるというか、すごく大きく成長できそうなイメージはあるんです。簡単にはいかないと思いますけどね」

 -大きく曲がるスライダーもそうだ。

 「6日のDeNA戦でも、右打者にはロペスにスライダーで三振を2つ取りました。ある程度使えるかなというのはあるんですけど、僕の場合は左打者の対戦が増えてきます。これからはフォークボールの精度かなと思います。これまではうまく制球できなかった球種なんですけど、交流戦くらいから使えるメドが立ちました。これからどんどん使っていきたいです」

 -課題、反省ばかりが口を突くが、前半戦で7勝の数字が残る。自信になるのでは。

 「打ってもらって、守ってもらって勝っている試合ばかりです。僕の頑張りで勝てた試合というのが出てこない。後半、僕が頑張って勝てた試合を、1試合でも多く作れたらと思います」

 -悩みの方が多い。

 「悩みというか、気持ちが晴れない。いろいろ考えないといけないなと思っています」

 -8年目の進化。メンタルトレーニング、4スタンス理論との出合いが転機になった。

 「メンタルは、すごくありますね。大きく言うと、昨年までならマウンドで『次、これを待たれているだろうな、打たれそうだな』という心理だったのが、『次、これを待たれているだろうけど、強い球を投げられたら大丈夫だ』、『待たれているけど、その前に体を開かせているから、大丈夫だ』と思える心理になっています」

 -メンタルトレーニングとは、具体的に。

 「自分の価値を高める作業。簡単に言えば、いいことを考えることです。『ここで抑えたら、カッコいいな』とか、『気持ちいいな』とか。そのために何をしたらいいか、いろいろ考えることですね。昨年までは『どうしよう、どうしよう』だったんです」

 (続けて)

 「(6日の同戦では)坂本が桑原の盗塁を刺してくれました。自分であまり言うことではないんですが、その前に早い、遅いとタイミングの違うけん制を2回入れたんです。2回目の長いけん制のタイミングでホームに投げた。考える余裕も出てきましたし、そういうこともできるようになってきたな、と成長は感じています」

 -4スタンス理論も大きな出合いだった。

 「ファームにいる時から(コーチに)上から叩け、叩けと言われ続けて。それをどうしても上半身だけで、無理に叩こうとしていました。そこから4スタンス理論と出合って、しっかり軸足で立てるようになった。昨年の球児さんの助言をきっかけに、下半身の移動の仕方も良くなりました。それで上半身にも力感がなくなったんです。リラックスできるようになって。しっかり体重移動できるようになりました」

 -タイプはかかとの外側に重心がかかる「B2」。田中(ヤンキース)らと同じだ。

 「自分のバランスに反していることをやっても良くはないですし、理解しながらやれていると思います」

 -17日から後半戦に入る。今後の目標は。

 「前半戦と同様に、しっかり試合を作ることです。1つでも多くのアウトを取っていくこと。それしかできないですし、それが一番のチームに対する貢献。あとは先取点を与えないことですね」

 -個人の成績は。

 「まだローテ1年目です。数字も大事だと思いますけど、それにとらわれてしまうと良くないので。1試合、1試合、全力で投げていった結果、数字が良ければいいなと思います」

 -まずはローテを最後まで守り抜くこと。

 「数字を考えてできる技術もまだありません。一生懸命、目の前の試合を投げていくだけだと思います」

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