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校庭に今も仮設住宅、住民が球児激励 南三陸の志津川高

7/14(金) 12:37配信

朝日新聞デジタル

 全国高校野球選手権宮城大会が14日開幕し、東日本大震災で800人以上が犠牲になった宮城県南三陸町にある志津川の主将、熊谷和輝君(17)が選手宣誓をした。震災を乗り越えることができた支援への感謝を忘れない――。元気いっぱいの声を、温かい拍手が包んだ。

【写真】選手宣誓をする志津川高校の熊谷和輝主将=14日午前10時53分、仙台市宮城野区のKoboパーク宮城、加藤秀彬撮影

 野球部唯一の3年生で「最後の夏」となる熊谷君は、18人の選手と宣誓で何を伝えるかを話し合った。多くの部員が口にしたのは、「感謝」だった。家を流され、親を亡くした子もいる。そんななか、全国からバットやボールが寄付され、高校生がボランティアに来てくれた。

 校庭には今も9棟の仮設住宅がある。「普段通り頑張って」。試合の日、仮設の住民は必ず出発する選手のバスを見送ってくれた。町内では復興が進み、現在の入居世帯は4世帯。昨冬にあった住民とのお別れ会で、部員の一人は「笑顔で励ましてくれてうれしかった」とあいさつした。

 そんな日々を経て迎えた開会式。「つらい経験を乗り越え、野球ができているのは、家族、仲間、地域、全国のご支援くださった方々の支えがあったからです」。熊谷君は、一つひとつの言葉をかみしめるように紡いだ。(桑原紀彦)

朝日新聞社