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高校生の冬山登山 長野県教委、一律禁止せず 今秋までに安全指針策定

7/14(金) 7:55配信

産経新聞

 栃木県那須町で登山講習中の高校生ら8人が死亡した雪崩事故を受け、長野県教育委員会は13日、県内の高校生が春季と冬季に実施する登山の安全を確保するため、指針策定に向けた初会合を開いた。スポーツ庁が高校生による冬季の登山を原則禁止するよう指導していることをめぐり、県内では冬季も訓練してきた経緯があるため、一律に禁止する措置はとらない方針で一致した。県教委は今秋までに指針を策定し、各校への周知を図る考えだ。(太田浩信)

 会合では、スポーツ庁の指導方針に対し、各委員から「冬山登山の一律禁止は安易な判断であり、事故を起こさないようにすることが重要だ」「高校生自身が危険を判断できるよう、自立した登山者として育てるべきだ」などと、冬季訓練の実施を容認すべきとの意見が相次いだ。

 生徒らの安全確保に関しては、引率する山岳部顧問ら指導者の登山技術や知識などの力量に左右される点を確認。今後の議論では、指導者を対象とした研修機会の確保や受講内容の理解度をどう担保するか、具体的な制度設計が焦点となる。

 冬季に行う登山の装備品として、雪崩に巻き込まれた登山者の位置を示すビーコンの携行を必須とする認識でも一致した。ただ、1台当たり5万~6万円と高価なため、踏み込んだ方向性を指針に盛り込めるかが問われそうだ。

 委員長の鈴木啓助信州大教授は、指針について「指導者の育成が柱となる。資格の必要性なども検討する」との見通しを示した。

 県高校体育連盟などの調査では、平成29年度における高校山岳部は公立24校、私立2校。部員には277人が登録し、増加傾向にあるという。スポーツ庁の実態調査でも、このうち15校が春季と冬季に活動している。

 栃木県教委雪崩事故検証委の委員も務める大西浩・国立登山研修所専門調査委員によると、長野県内でも昭和29年に北アルプス・穂高連峰で松本県ケ丘高の生徒2人が雪崩に巻き込まれて死亡。平成元年3月には、北ア・遠見尾根で研修中の高校教員1人が雪崩により死亡している。

最終更新:7/14(金) 7:55
産経新聞