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桂文枝「富士山頂いらっしゃ~い」下山ピンチも10時間かけ登頂初成功

7/14(金) 7:00配信

サンケイスポーツ

 落語家、桂文枝(73)が13日、静岡・富士宮市から富士山に登頂し、山頂にある富士山本宮浅間大社奥宮に創作落語の新作「富士山初登頂」を奉納した。芸能生活50周年を記念した挑戦。9合目付近では血液チェックの結果が思わしくなく、リタイアがよぎったが、周囲の制止を振り切り、10時間かけて登頂に初成功。感涙し、さらなる活躍を誓った。

 登ると決めたら絶対登る!! 富士の頂に立った文枝は日本一の景色に涙した。途中リタイア危機に遭いながらも、73歳の意地が自分の足を動かした。

 「はってでも登るつもりでしたけど、正直、辛かったです。50周年の感謝の気持ちとこれからの覚悟を見てもらうために頂上を目指しました」

 午前4時25分に富士宮口5合目(標高2400メートル)を出発。直前まで降っていた雨は止み、快調に歩きだした。しかし、不安定な岩場と急斜面に苦しめられ、予定より多く休憩を挟まなければならなかった。

 9合目(同3460メートル)過ぎでの血液チェックでは、血中酸素が少ないことが判明。下山を勧められたが、「体は元気やねんけどな」「とりあえず上の山小屋まで行こう」と続行を意思表示。「体が動けなくなる、今夏最初の遭難者になると言われ、心が折れかけましたが、一生懸命、みんなに助けていただきました」。雨に打たれながらも、意地で歩を進めた。

 文枝は2004年8月に富士登山に挑戦したが、9合目手前で高山病のためリタイアした苦い経験がある。芸歴50周年の節目にリベンジを決意。プール歩行などのトレーニングで鍛えてきた。登頂後は羽織袴に着替えて、浅間大社奥宮の社殿へ。「日本一の落語家に」と願いを込めて創作落語の275作目となる新作「富士山初登頂」の一部を演じた。

 今回の挑戦は文枝にとって大きなものをもたらした様子。「年齢が年齢ですが、がんばれる自信がついた。私のできる限りのことを上方落語にささげたい」と誓った。上方落語協会の会長職は現在8期目。これまでは来年改選時での勇退の意向を示していたが、富士登頂で心を新たに。「選ばれればですが、9期目もあり」と続投に意欲を示した。

 「富士山頂に、いらっしゃーい!」

 一緒に山頂まで登った3人の弟子たちと笑顔で叫んだ。16日に74歳になる文枝の飽くなき探求心はまだまだ続いていく。